音楽の著作権管理の実態|インディーズバンドだと何か違うの?

本や映像作品などとは違って「流せば他人にも強制的に聞かせることができる」ので、音楽の著作権関係の管理は結構ややこしいです。ですが、音楽を扱うのであれば必ず知っておくべき事なので、今回解説していきます。インディーズバンドに所属している皆さんも、将来のためにぜひ最後までご覧ください。

音楽の著作権管理団体の活動内容

音楽関連の法人や音楽出版社、作詞家や作曲家個人から「著作権関係の管理」を任されている組織のことを「著作権管理団体」と言います。

「著作権」をはじめとする権利そのものはインディーズバンドであってもメジャーバンドであっても、自動的に発生します。

しかし、ある程度の知名度があるアーティストともなると、楽曲が利用される頻度が高くなるため、自分自身で著作権関連の管理をすることが難しくなります。

(逆に言えば、駆け出しのインディーズバンドなどがJASRACに登録する意味は薄いと思います)

そのため、著作権の管理をジャスラックなどに任せるアーティストが多いのですね。

著作権管理団体はジャスラック以外にもある

ここまでの解説で、「へえ、ジャスラックの正式名称って、『著作権管理団体』なのか」と感じたかもしれませんが、その認識は微妙に間違っています。

ジャスラックは、あくまで著作権管理団体のうちの一つだからです。

実際、56年前に「NexTone」という著作権管理団体が新たに誕生しています。

もともとエイベックスの系列である「イーライセンス」という音楽管理会社がありましたが、ここと「ジャパンライツクリアランス(JRC)」が合併して、NexToneができました。

エイベックスに関係する会社ですから、主にエイベックスのアーティストの音楽を管理することになるでしょうね。

もちろん他のレーベルのアーティストの音楽の著作権の管理も行うでしょうから、「JASRAC一強」の現状が打ち破られるかもしれません。

ただし、NexToneがエイベックスの音楽著作権の全部を管理するのは今のところ不可能です。

音楽関係の権利も色々ありますから、「あの権利はNexToneに管理してもらって……この権利はJASRACに管理してもらって……」などなど、色々とややこしい状態になることも考えられます。

この辺りのことが、現在のNexToneが抱える課題であると言えるでしょう。

しかし、NexToneが新しい発想で活動していることは確かです。

例えば、「ユーチューブによる音楽再生における著作権使用料」を変動制に切り替えました。

これまでは定額制が普通だったので、「想像以上に再生されたのに、アーティストの取り分が少ない」という事になりかねませんでした。

ですが、変動制であれば「再生されればされるほど取り分が多くなる」と言えます。

インディーズバンドも積極的にユーチューブ投稿に音楽動画を投稿する時代ですし、これは音楽業界全体にとって大きな追い風になると思います。

レストランで音楽を流す場合の著作権関係の手続きは?

では、あなたがレストランを開店させ、そこで音楽を流すことになったとしましょう。

この場合の著作権関係の手続きはどのように行えばいいのでしょうか。

中には「昔インディーズバンドを組んでいたし、自分達の曲を使えばいいや」という人もいるかもしれませんね(そういう曲を流せるのってステキです)。

しかし、たとえ自分達の曲であってもJASRACNexToneに登録して管理してもらっているのであれば、それなりの手続きをする必要があります。

前置きが長くなりましたが、手続きについて見ていきましょう。

1:とりあえずお金の話

具体的にいくらかかるのかという部分ですが、これは店舗面積によって変わります。

小さなお店(500㎡以下)であれば、「112/月額1200/年額6000円」で使えます。

面積が広くになるにつれて使用料が大きくなり、9000㎡以上からは「1117/月額1万円/年額5万円」となります。

例えば「小さなお店」で、「3カ月ごとに20曲ループで流す」という場合、

著作権使用料は年間288千円となります。

結構シャレにならない金額ですから「自分が持っているCDを流しちゃおう……」などと感じるかもしれませんが、それは違法です。きちんと申請しなければなりません。

2:手続きの流れ

ジャスラックを利用する場合は、

オンライン申請→請求書&許諾所が届く→著作権使用料を支払う(振込・引き落とし)

で完了です(郵送でもほぼ同じ流れで申請できます)。

ジャスラックからステッカーが送られてくるので、店舗のどこかに貼っておくと無用なトラブルを防ぐことができます。

3:外部サービスの利用も考えましょう

ただ、音楽の種類によっては数件の著作権管理事業者に申請しなければなりませんし、チェック項目もたくさんあったりします。

ですから、例えば「UESN」が手掛ける「otoraku」というアプリを使う手があります。

このアプリに登録されている音楽の著作権などの管理処理は全部代行してくれるので、ほとんど労力をかけずに「店内BGM」を入手することができます。

ちなみに、otrakuには有名曲だけでなく、国外のインディーズ音楽も揃っています。

そのため、例えば「レストランの雰囲気に合わせて、国外のマニアックな音楽を使いたい」などのニーズも叶えてくれます。

まとめ

音楽の著作権管理などについてでした。「音楽を利用される機会が多く、自分達で管理するのが難しいから、ジャスラックなどに任せる」という理屈ですから、まだ有名でないインディーズバンドなどの皆さんはとりあえずスルーしても良いでしょう。

また、「手持ちのCDを自店舗で勝手に流す」のは基本的に違法です。