ここでは、統計的に証明されているとも、されていないとも言われている「27クラブ」のメンバーについて解説します。これは、「伝説的なバンドマン・ミュージシャンなどには27歳で亡くなっている」という説のことを指しています。
興味がわいたアーティストについては、実際に曲を聴いてみてはいかがでしょうか。
目次
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なぜ「27歳」という年齢がバンドマン・ミュージシャンにとって特別なのか
国外のバンドマンやミュージシャンの中にはなぜか27歳で亡くなっている人が多く、
実際に27歳で死去している彼らのことを「27クラブ」と呼ぶ場合があります。
1994年~1996年の間に有名ミュージシャンが4人他界、2011年にエイミー・ワインハウスが27歳で亡くなったことで、このイヤな伝説はさらに注目されるようになりました。
(伝説的な人物が亡くなったのか、亡くなったから伝説になったのか……)
ここでは、27クラブに数えられる伝説的なバンドマン・ミュージシャンを何人か紹介していきます。
1:ロバートジョンソン
ロバートジョンソンの「悪魔に魂を売ってギターの技術をマスターした」という伝説はあまりにも有名です。もちろん本当に魂を売ってはいないと思うのですが、実は彼こそが27クラブの一人目です。
27歳で死去したロバートジョンソンの死因は明らかになっていません。
ですが、「既婚女性とのあれやこれやを夫に見られて、その場で殺された」ですとか「ダンスパーティーで意気投合した既婚女性と不倫をしたせいで、その夫に毒殺された」などの説があります。
そんなロバートジョンソンの音楽は、時折「あれ?」と思うほどに調子はずれなのですが、それがなぜか人々を感動させるのです(計算どおりなのでしょう)。
現在のバンド音楽においても参考になる部分がありそうですね。
2:ブライアンジョーンズ
ブライアンジョーンズはイギリスの伝説的なロックバンドである、ローリングストーンズのメンバーです。
彼は、1969年にドラッグとアルコールを体内に入れた状態で自宅のプールに入り、そのまま溺れ死んだと言われています。
このように死因はハッキリしているのですが、たくさんの人々が「もっと別の理由で死んだはず」と語っており、「ロックバンド史上に残るミステリー」とさえ言われるようになっています。
(自宅に呼ばれていた建築士に殺されたという説もあります)
そのうち何割の人が本気で「謎だ!」と考えているのかは分かりませんが、「あのブライアンジョーンズの27歳での死が、これほど平凡で愚かしいものであるはずがない」という意識が働いていそうな気がします。
3:ジミ・ヘンドリックス
ジミ・ヘンドリックスは、ロンドンの彼女の家で、強力な睡眠薬を基準量の何倍も飲んだ上でアルコールを飲み、そのまま27歳で亡くなったとされています。
ミュージシャンとして精力的にツアー活動を続けるなかで、彼はドラッグに明け暮れるようになりました。
彼の友人は、「ドラッグの中身もチェックせず、粒もロクに数えずに飲んでいた」と述べています。
ただし、彼の死因については、「ガールフレンドがすぐに救急車を呼ばなかった」「関係者の言動が二転三転している」などなど、謎な部分も多いです。
日本では「ジミヘン」として親しまれている彼。
あまり死因については考えず、私たちはジミヘンの音楽だけを楽しめばいいような気がします。
4:ジャニス・ジョプリン
アメリカの女性ミュージシャンであり、1970年に27歳で亡くなったのですが、今なお彼女は新規ファンを獲得し続けているように思えます。
10月4日、彼女は恋愛のことで悩み、自身の腕にヘロインを注射。
(ちなみにこれは自殺したいという意思によるものではなさそうです)
そして、ホテルのロビーでタバコを購入。自室に帰って服を脱ぎ、机にタバコを置こうと動いたときに転倒し、そのまま亡くなったと言われています。
ちなみに、彼女は「パール」というアルバムのレコーディング途中で他界しました。
そのため、中途半端な録音状態になっている「メルセデスベンツ」という曲が残っており、これが「伝説の一曲」と呼ばれることが少なくありません。
5:ジム・モリスン
ジム・モリスンは27歳で死去してからさらに注目されるようになったミュージシャンです。
アメリカのロックバンド「ドアーズ」の作詞・ボーカルでした。
ちなみに、心臓発作で死去したと言われているのですが、使用していたヘロインの影響も大きいと見られています。
1979年に公開された「地獄の黙示録」で、ジム・モリスンの「ジ・エンド」が使用されたことで、一躍有名になりました。
そのあと「27クラブ」のこともあって、「彼は27歳で死ななければならなかった特別な運命を背負ったミュージシャンなのだ」という認識が、彼の熱狂的なファンを中心に広まるようになりました。
極めつけに、ジム・モリスンの恋人も27歳で亡くなっています。
6:ジャン=ミシェル・バスキア
ジャン=ミシェル・バスキアは、過去30年間で最も偉大なアーティストに分類されており、彼の伝説を知ることができる映画も作られているほどです。
そんな彼は高校を中退してから、独学で芸術を学びアーティスト(芸術家という意味での)になりました。しばらくは、一匹狼的な活動を続けていましたが、1980年頃にはようやくグループ活動もするようになりました。
ナッツやドライフルーツを画商の頭部にぶつけたり、作品を壊したりと「奇行」としか言いようのない行動も数々取っています。
死去するまでの数か月、彼は1日に100回はヘロインを使っていたと言われています(これについてはさすがに極端に言い過ぎているような気がしますが)。
7:カート・コバーン
カート・コバーンはアメリカを代表するバンドである「ニルヴァーナ」のリードギター兼ボーカルでした。
少年期から薬物依存症や双極性障害であり、27歳の春ごろに自宅で自殺しました。
彼は自身の精神状態を記した遺書を書いてから、突然ショットガンで自分に向けて放ったようです。
「彼は訴訟で家を取られることを怖がっていた」と、カート・コバーンを診ていたカウンセラーは述べています。
カウンセラーは「自宅を渡さないために自死を選んだように思えます」とまで言っています。
ちなみに、「Who Killed Kurt Cobain(誰がカート・コバーンを殺したのか?)」という書籍さえありますが、これについては「彼自身が彼を殺した」と言うよりほかありません。
8:エイミー・ワインハウス
エイミー・ワインハウスは、イギリスの女性ミュージシャンです。ワインという名の通り……と言うと失礼かもしれませんが、アルコールやドラッグに依存しており専用施設で療養していました。
しかし、2011年の7月、自分の家でウォッカを飲んでから亡くなったと言われています。
クラブ27のなかでは、かなり新しいミュージシャンですね。
そんな伝説的な印象がありながらも、比較的あけすけだった彼女。
「まだまだ挑戦したいことがある」と語ることもありました。
ですが、それはあまり具体的ではなく、冷静に考えると自身の内面に関して語ることはあまりありませんでした。
彼女が死ぬ瞬間、ボーイフレンドはそばにいなかったと言われています。
9:Kami(ヴィジュアルバンド・マリスミゼルのメンバー)
こちらは日本の伝説的アーティストです。
マリスミゼルは、セット・衣装・音楽で異様な雰囲気を作り上げていたヴィジュアルバンドであり、不謹慎ではありますがkamiの27歳でのくも膜下出血による突然の死も、どことなくバンドとしてのカラーに合っているようでした。
ちなみに、kamiの遺作をメンバーの手で作品として仕上げた「神話」というCDも発売されています。
そして実は、マリスミゼルとしてバラエティー番組にも出演するなど柔軟な部分も見せていました。
ちなみに、初代ボーカルが脱退してから、2代目ボーカルとして現在もミュージシャンとして活躍しているGacktが加入しました。
ですが、そのGacktが1998年の年末に突然行方不明になるなど、話題に事欠くことはありませんでした。
10:ジョナサン・ブランディス
ジョナサン・ブランディスが子役として世に出たのは6歳のことでした(厳密に言うと2歳でモデル活動を開始。4歳でテレビコマーシャルに出演しています)。
17歳のときに「シークエスト」というドラマに出演したことで、一躍有名になりました。
毎日数え切れないほどのファンレターが届き、「ブームとしては伝説のバンドであるビートルズにも負けないくらいだった」とも言われています。
しかし、20歳のときにシークエストが終了してから、彼の人気に陰りが見え始めました。
それでも、26歳で「ハーツ・ウォー」に抜擢されましたが、なんとジョナサン・ブランディスのシーンは全部カットされてしまいました。
それから1年後、ロサンゼルスの自宅で首吊り自殺をしました。
まとめ
27歳で亡くなった伝説的なバンドマン・ミュージシャンなどについて紹介しました。今回紹介した「クラブ27」である彼らの死因を見てみると、交通事故などの「突発的な理由」で亡くなっている人がほぼいない事が分かります。月並みですが、アルコールやドラッグにのめり込むのはやはり良くありませんね。