ベースボーカルがバンドの歌の練習にぴったりな理由|歌手紹介も

バンドのボーカルの皆さんは、時間的・精神的余裕があれば一度「ベースボーカル」にて歌のトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。ドラムボーカルやギターボーカルにはない利点があります。また、参考として知名度の高いベースボーカルを15人紹介しますので、興味があれば聴いてみることをおすすめします。

歌の練習にベースボーカルが最適なのはなぜ?

適切な方法でボーカルトレーニングをすると、「響きの持たせ方」「低音・高音の出し方」「音程の取り方」などが徐々に上達していきます。

3つ目の「音程を取る」という部分で悩んでいるバンドのボーカルが少なくないと思いますが、そういったときは「ベースボーカル」の練習をすることをおすすめします。

ベース以外の楽器でバンドにだいたいあるのは「ドラム」と「ギター」だと思いますが、

ドラム:そもそも「音程」の概念がほぼない

ギター:同時に複数の音を出すため、音程を取るトレーニングには向かない

という特徴があります。

しかし、ベースであれば1つの音しか出さない場合が多いですから、音程を比較的簡単に取ることができます。

また、ベースはドラムと同じく、いわゆる「リズム隊」ですから、ベースボーカルの練習を通じて。歌声の向上とともにリズム感を鍛えることもできるはずです。

有名なベースボーカル15

1:ポールマッカートニー

ビートルズやウィングスといったバンドの元メンバーであり、2020年現在でも活動しているベースボーカルです。

バラードでしっかり歌うこともできますし、ロック曲を激しく歌うこともできます。

さらには「唸り」を出すことも可能なテクニシャンです。

ビートルズのメンバーのなかでは一番高い声域を持っています。

また、いわゆる「一人多重録音」もどんどん行っています。

ちなみに、ポールマッカートニーはこれまで500曲を超える楽曲を作っており、「一番成功した音楽家」として、ギネス世界記録に認定されています。

ビートルズの曲は比較的シンプルで歌いやすいものが多いので、コピー演奏に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

2:スティング

ロックバンド「ポリス」のベースボーカルとして活躍したミュージシャンです。

日本人にとっては、キリンビールのコマーシャルソングが最も有名かもしれません。

ポリスの活動が休止してからもソロ活動を盛んに行っています。

ベースの技術はすさまじく、ビートのスキマを通るような繊細なフレーズを歌いつつも、力強く弾くことができてしまいます。

彼は181センチの長身であり、ベースを演奏する姿が非常にカッコいいです。

ちなみに、スティングは「キャロルケイト」の教本からベースについてたくさんのことを勉強していて、彼女自身にお礼をしたこともあります。

興味がある方はキャロルケイトについても調べてみてはいかがでしょうか。

3:ロジャー・ウォーターズ

ロジャー・ウォーターズは元ピンクフロイドのベースボーカルであり、バンドの音楽をメインで作っていたのも彼です。ロックオペラ作品の「ザウォール」はグラミー賞を獲得しています。

音楽に関するこだわりはとても強く、どれほど素晴らしい曲ができても、アルバムの雰囲気に合わなければあっさりお蔵入りさせていたそうです。

また、たくさんの曲を作っていますが、長いアーティスト活動の中で、他の歌手に提供した曲は一曲しかありません。

そんな彼は自分より後の世代が作り出す音楽にはあまり興味がなかったそうですが、

自分の影響を受けたバンドが多いことについては、率直に喜んでいるようです。

気難しい性格ではあるようですが、そこまで頑なでもないように見えますね。

4:スージークアトロ

ティーンズ時代には積極的にガールズバンドとして活動し、その後ソロに転向したベースボーカルです。

2019年に新しいアルバムを出すなど、今なお活動を続けています。

スージークアトロはアメリカ出身ですが、なぜか米国ではあまり人気が出ませんでした(それでも普通のアーティストに比べれば圧倒的に売れていますが)。

むしろ日本やイギリスで大ヒットしています。

ヘビーなロックスタイルでありつつも、どことなく妖艶な雰囲気のある歌声や演奏は、良い意味で人を選ぶのかもしれませんね。

ちなみに、1987年には氷室京介と「ザワイルドワン」という曲でデュエットしています。

(ただし別撮りであり、ミキシングで一曲に仕上げています)

5:ジーンシモンズ

ジーンシモンズはロックバンドの「KISS」のベースボーカルです。

吐血や火吹きのパフォーマンスなどが有名ですが、ベースボーカルとしての「歌」の技術も確かなものです。

破天荒なイメージがありますが、ドイツ語、ハンガリー語、ヘブライ語、英語を使いこなす知性派。1970年からリッチモンド大学で教育課程の勉強をし、バンド活動と教師としての仕事を並行していた時期もあります。

また、日本映画の「デトロイトメタルシティ」にも出演しています(2008)。

さらに、ももいろクローバーZKISSでコラボ曲をリリースするなど、日本との関わりもかなりある人物です。

(今は日本語の勉強をしているそう)

彼自身が近年のアーティストの中で最も高く評価しているのは、恐らくレディーガガ。

6:ブーツィー・コリンズ

ブーツィー・コリンズは米国のベースボーカリストです。

ジェームズ・ブラウンのバックバンドを経験してから、Pファンクという二人組バンドを結成しました。

ファンク界の代表的なベースボーカルの一人であると言えるでしょう。

8歳のときにギターを始め、スタジオミュージシャンとして活動をスタートしたのが12歳の頃のこと。16歳のときにシングルデビューしました。

1997年にはロックの殿堂入りをし、2002年には「フリークスペース」というバンドのプロデュースもしました。

彼の使う「オートワウベース」からは「ポウ」「ビヨン」などと不思議な音がし、このサウンドはブーツィー・コリンズの代名詞となりました。

7:ラリー・グラハム

ラリー・グラハムはアメリカのベースボーカルであり、ベースを手で直接叩く「スラップ」という手法を早い時期から使っていたことでも知られています。

(スラップを楽しみたいなら、シングルの『サンキュー』がおすすめ)

1971年に当時加入したバンドをクビになりましたが、その2年後にはラリー・グラハム自身がリーダーを務める形でバンドを結成。

それが解散してからは、ベースよりも「歌」の部分を重視してミュージシャン活動を続けました。

2010年頃からはMOON製のジャズベースを使うようになりましたが、彼が弾くそれはトランスミッターとワイヤレスシステムが装備されている特殊なものでした。

ちなみに、堂本剛のオリジナルアルバムにゲスト参加したこともあります。

8:リック・ジェームス

リック・ジェームスは「マイナー・バーズ」というバンドのベースボーカルでしたが、すぐには評価されませんでした。

彼の歌がヒットしたのは30代になってからのことでした。

そして、1981年に「ストリートソングス」というアルバムを発売すると一気に大人気に。

ファンク、ソウルの分野を引っ張っていく存在となりました。

また、プロセス&ドゥーラグス、ヴァルヤングなどといったアーティストのプロデュースもしています。

ちなみに、彼の有名曲である「スーパフリーク」が、MCハマーに無断でサンプリングされたことがあります。リック・ジェームスは権利侵害による訴えを起こし勝訴。これにより、当時のミュージシャンのサンプリングに関する意識が変わったと言われています。

9:マーク・キング

マーク・キングはイギリスの「レベル42」というバンドのベースボーカルです。

ただ、実はバンド結成当初はドラム担当でした。しかし、結成から2年後にバンドの方針に従う形で嫌々ながらベースボーカルに転向しました。

ですが、ベースの技術の飲み込みが早く、転向から2年後にはスラップができるようになっていました。

ちなみに、マーク・キングの奏法は、まるでマシンガンのようという事から「マシンガンスタイル」と呼ばれており、爆風スランプの江川ほーじんには彼をライバル視していたそうです。

しかし、1981年のバンド演奏のときに演奏中に親指を切ってしまってからは、その部分をテーピングしてガードするようになりました。

10:ロイ

ロイ(ROY)はザ・ボゥディーズという日本のロックバンドのベースボーカルを務めている人物です。ちなみに、ロイがベースボーカルになったのは、「ハイ・スタンダード」というバンドの難波彰浩の影響によるところが大きいとのことです。

ザ・ソニックスなどから音楽的影響を受けたとされていますが、2012年にはそのザ・ソニックスとツアーをするまでに成長。ツアー終了時にザ・ソニックスに賞賛されたことから、ROYは「認められた気がする」と大喜びしたようです。

ザ・ボゥディーズはライブのことを「パーティー」と表現していますが、これは「歌が始まったら自由に踊ってほしい」という気持ちからきているそうです。

まだまだザ・ボゥディーズのバンド活動は続きそうです。

11:井上富雄

井上富雄はバンド「ルースターズ」のメンバーでした。

ルースターズを抜けてからは、「ブルートニック」を結成してボーカルギターを務めました。

その後、メジャーデビューしますが1989年に解散。

ベースボーカルになったのは1990年のことです。たくさんのセッションをし、今ではプロデューサーとして活躍しています。

また、2003年にはソロアルバムの「アップ!アップアンドアウェイ」をリリースしました。

ボニーピンク、クレモンティーヌ、石橋凌などに楽曲提供、もしくはプロデュースしていることでも知られています。

さらに、福山雅治、桑田佳祐、トータス松本などのレコーディングやライブにも協力しています。

色々な方面での縁の下の力持ちと言えるかもしれませんね。

12:上江洌清作(うえずきよさく)

上江洌清作はモンゴル800のベースボーカルです。

「あなたに」や「小さな恋のうた」も彼の歌が支えていると言っていいでしょう。

モンゴル800の音楽は、基本的にドラム、ベース、エレキギターという3種類の楽器のみで構成されていますから、ベースボーカルの歌声にも集中しやすいかと思います。

それでいて聴く人を飽きさせないような魅力のあるバンドですから、皆さんのバンドでも一曲はコピー演奏をしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに誰もが一度は考える「モンゴル800という名前の由来は?」という疑問の答えは、「なんとなくメンバーの一人が思い浮かべた言葉である」でしかありません。

モンゴル的な音楽でもなければ、800という数字を連想させる何かもありません。

13:難波彰浩

難波彰浩はバンド「ハイ・スタンダード」のベースボーカルです。

2000年の千葉マリンスタジアムでのライブでは3万人を集めますが、その後ハイ・スタンダードは活動を休止します。

2005年に事務所を設立し、ソロデビュー。

2006年からは「ウルトラブレイン」という名前で本格的にミュージシャン活動を再開しました。

20107月にエイベックスに加入、2011年に発売したアルバムではオリコン8位に入りました。

それから東日本大震災からの復興のために、2011年にハイス・スタンダードとしての活動が再開しました。

バンドミュージック自体への興味が薄い人からするとややマイナーなバンドかもしれませんが、ライブをすれば最大で数万人単位の観客が集まります。

14:海北(かいほく)大輔

海北大輔は「ロストインタイム」というバンドのベースボーカルであり、現在も活動中です。

また、ピアノやアコースティックギターを演奏することもできます。

ロストインタイムは海北大輔がソロで弾き語りすることもあれば、アコースティック編成になることもあるなど、自由度の高いバンドとして知られています。

さらに、海北大輔は「moke(s)」「岩海苔」などとしても活動中です。

そんな彼は2019年にソロ作品集もリリースしています。

海北大輔のベースボーカルとしての歌声を堪能したいのであればチェックしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、このソロ作品集のジャケットイラストは彼自身が作成しています。なかなか味のあるイラストですよ。

15NAOKI

NAOKI3人組バンドの「10-FEET」のベースボーカルです。

アニーボール/ミュージックマンスティングレーや、ギブソン・サンダーバードといったベースをメインに使っていましたが、今ではNAOKIオリジナルモデル(バーニーより)で歌っています。

ちなみに本名は井上直樹ですが、彼の親が好きだった「ナオキ」が名前の由来です。

10-FEETとしては、2007年のライブイベントが台風の直撃により中止、2018年のフェスも豪雨により中止になるなど、あまり天候に恵まれていないというエピソードがあります。

(ちなみに、2017年のライブも雷で一旦ストップしています。これは何とか再開していますが)

また、ベストアルバムを「本当は出したくなかった」という理由で公式サイトの情報ページに載せていないというこだわりがあります。

まとめ

ベースボーカルには「基本的に1音だけ出す」「リズムを取る練習にもなる」などのメリットがあります。特に「音程を取るトレーニングをしたい」というのであれば、ドラムやギターでの歌練習を圧倒しています。

今回紹介した何人かのアーティストを参考にしつつ、ボーカルトレーニングに励んでいただければ幸いです。