バンドの解散理由……本当に「方向性の違い」なの?

バンドの解散理由本当に方向性の違い?解散しないを選択のバンド増加

ここではバンドの解散理由としてよく聞く「方向性の違い」「音楽性の違い」について解説していきます。バンド形態とアイドル・ポップス形態とで、解散理由の比率に違いがあるのかどうかにも触れていきます。また、2000年代後半くらいから増えてきている「解散・休止したバンドの活動再開」に関してお伝えします。

目次

バンドの解散理由が「方向性の違い」である割合は?

「方向性の違い」と言いますか、「音楽の方向性の違い」かもしれませんね。

まず20152019年の間に、一定以上の知名度がある、バンドをはじめとする様々な形式の音楽グループが約80組解散しています。

ちなみに「活動休止」と「無期限活動休止」がそれぞれ15組くらいで、活動終了が5組程度です。

また、チャットモンチーは「完結」、いきものがかりは「放牧」しています。

こういうユニークな表現を使って解散・活動休止するバンドは少ないですね。

さて、解散理由ですが、これが「バンド」か「ポップス・アイドル系」かで割合が結構違います。

まずバンドの場合は「方向性の違い」がおよそ60パーセント。

続いて、「一定以上に達成した」が約20パーセントとなっています。

アイドル・ポップス系の場合は「方向性の違い」はおよそ25パーセントに留まっています。

アイドル・ポップス系に多い解散理由は、いわゆる「大人の事情」であって、それが約40パーセントを占めています。

バンドとアイドルで解散理由の比率がこんなに違う理由は?

すでに少し触れましたが、バンドの解散理由トップ3

バンドの解散理由トップ3

  1. 方向性の違い
  2. 一定以上に達成した
  3. 大人の事情

アイドル・ポップスの解散理由トップ3

アイドル・ポップスの解散理由トップ3

  1. 大人の事情
  2. 方向性の違い
  3. 将来のために

となっています。

まず、バンドの場合は自分たちで作詞作曲を手掛けることが多いでしょうから、「なーんか最近メンバー同士で音楽の方向性の違いを感じるよね~」なんて事が起きやすいのかもしれません。

また、自分たちで音楽を作るからこそ、「もうやる事はないな!」という強い達成感を覚えることもあるのかもしれません。

ですが、特にアイドルの場合は自分で作詞作曲をする割合が低くなるかと思います。

だからこそ、「音楽の方向性の違い」は感じにくいのかもしれません(こんなノリの歌ばかり歌いたくない……などはありそうですが)。

「作詞」ならまだしも、「作曲」となれば、「あのアイドルグループの○○さんが作曲しました!」とそれだけで話題になるかもしれません。

それから、「一定以上に達成したから」というのも解散理由の上位には挙がりません。

なんとなくモヤモヤしたものを抱えながら解散・活動休止などをするのでしょうか……。世知辛い感じがしますね。

そもそも「解散」しないバンドが増えている

ここまで「解散理由」の話をしてきましたが、そもそも「解散」しないバンドが多くなってきています。

まあ、結局「活動休止」「無期限活動休止」であることが多いので、そのバンドの新曲を聴けなくなる事に変わりはありませんが……

20062008年に活動をやめた音楽グループの多くは「解散」と言っています。

しかし、その時期から「活動休止」という表現を使うグループもちらほらあったので、「ちゃんと選んだ上で『解散』という言葉を使っていた」と判断できるはずです。

ですが、これが20162019年になると「活動休止」という表現を使う音楽グループが大半。

もはや、お気に入りのバンドから「解散」という言葉が飛び出すと、「え?活動休止じゃなくて?本当に解散!?」と驚いてしまう時代が来ています。

ただし「解散」という表現を使っても、数年~十数年後に突然活動を再開するバンドも少なくありません。

ですから好きなバンドが解散しても、それほど悲観する事はないのかもしれませんね。

逆に「活動休止」だからといって、必ず再開するとも限りませんが……

解散・活動休止から活動再開した主なグループ

キックザカンクルーは2004年に「活動休止」をしています。

休止理由は「売れるために活動することにモヤモヤするから」だったそうです。

しかし、2017年に活動再開。その年にアルバムも出していますし、ライブ活動もしています。これからは、マイペースで音楽活動を継続していくとのこと。

また、エックスジャパンは1997年の春にメンバーの一人が「音楽の方向性の違い」から脱退して、その年の夏頃に「解散」しています。

ですが、抜けたメンバーのTOSHIさんと、解散を発表したリーダーのYOSHIKIさんが2006年に再び顔を合わせ、それを機に2007年に活動を再開しました。

「再結成するなんて全く予想していなかった」とYOSHIKIさんは語っています。

そして、ドゥアズインフィニティのように複数回「解散・休止→再開」するバンドも存在します。それから、「ルナシー」は2010年に、ユニコーンは2009年に活動再開しています。

細かく挙げていけばキリがありません!

最近では「嵐」が活動休止を発表していますね

アイドルグループの嵐は「2020年末で活動休止する」と発表しています。

会見では「あくまで解散ではなく休止。いつか再会できれば」と述べています。

  • かなり早い段階で発表する
  • すでに再開に前向き

という珍しいパターンですが、今後特に人気のあるアイドル系音楽グループの場合は、

「早めに発表して混乱を避ける」という手法が増えていくかもしれませんね。

まとめ

「バンドの解散理由」について解説しました。

音楽好きの間では普通の表現になっている「方向性の違い」「音楽性の違い」という言葉ですが、特にバンドの場合は本当にその理由でやめるケースが少なくないという事がお分かりいただけたのではないでしょうか。

ただ、活動再開するバンドも少なくないので期待は持てますね。

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