科学的に考えると「ベースはバンドの最重要ポジション」である!?

ベースを弾いている男性

一般的なバンドのポジションとして最も目立たないのは恐らく「ベース」です。これからバンドを組もうとしている人達の中にさえ、「結局ベースってどういう楽器なんだろう」と考えている人が少なくありません。
しかし、科学的に考えると、実は「ベースはバンドの最重要ポジションである」と言えそうです!

目次

バンドのベースは一般的にどのような印象を持たれているのか

ベースを弾いている画像

あまり音楽に詳しくない人達がゼロから「バンドを組もう!」と考えたとします。
そしてボーカルが決まり、ドラム、ギター、ベースをそれぞれ誰が担当するか決める流れになりました。

率直に言って、この際一番人気になるのはギターでしょう。
多くの人が連想する「あの曲のイントロ」は恐らくギターによるものでしょうし、「有名なあのフレーズ」もギターによるもののはずです。

二番目はドラムです。
「これがドラムの音だ」と分からない人はまずいないでしょうし、身体中を使って様々な音を出す姿はスタイリッシュですし、憧れる方は少なくないはずです。

しかし、ベース。
ベースについては「そもそもどういう楽器なのだろう」と感じている人が珍しくありません。
例えば、「有名なあの曲のサビのベース音」を再現したとしても大半の人にとっては、「で、なんの曲なの?」と思われてしまう事でしょう。
そして、「バンドのパート決めのじゃんけんで負けた人がやる楽器」「ギターっぽい何か」くらいの認識をされてしまう事さえあります。

ですが、実はバンドにおけるベースの役割は非常に重要です。
「やり始めるとハマる楽器」なのです!

「ベースはバンドの一番大事なパート」という科学的根拠がある説がある

米国の科学雑誌である「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」が、「ベースはバンドの一番大事なパートである」という研究データを公開しました。

詳細説明をし過ぎるとかえって分かりにくくなりそうなので、ここでは簡単に解説します。
米国科学アカデミー紀要は以下のような事を述べています。

  • ヒトの脳は低い音に対する時間認識(どの音がいつ出たかの認識)に秀でている
  • したがって、よりリズムを理解しやすいのは「低い音を出す楽器」である
  • ライブ中、多くの観客はベースの音に合わせて、踊る・手を叩く・頭を振る

バンドでベースを担当した事がある人であれば分かるかもしれませんが、ときどき「なんだか自分が音楽の一部になったような感覚」がする場合があります。
音の波、オーディエンスの反応、それから自分自身が溶けあう事で、こういう感覚になるんですよね。
もちろんバンドの他のパートにも特有の魅力はありますが、この部分に関して最も魅力を感じられやすいのはベースである可能性が高いです。

バンドと音楽そのものにのめり込みたいならベースはおすすめです!

グッドサインの画像

「ベースには一生かけて付き合うだけの価値がある」と語るバンドマンがたくさんいます。

ピッキングだけ見ても、その弾き方を微妙に変えるだけで音が大きく変化します。
そして、「俺のバンドに合うようなベースの弾き方は……」と研究していくとキリがなく、その奥深さこそがベースの魅力であると言えます。

「ベースが目指すスタイル」は無限にありますが、その中で基本となる弾き方をいくつか挙げていきます。

1:ベースが目立つ音作り

目立つと言ってもあくまで「ベースにしては目立つ」という感じですが、バンドの他のパートの音に負けないくらいの感覚で弾いていくのがこのスタイルです。

2:縁の下の力持ち的な音作り

縁の下の力持ち

そもそもどのような弾き方をしてもベースは縁の下の力持ちかもしれませんが、音作りを工夫することで、さらにその路線を極めることができる可能性があります。

観客はボーカル、ギター、ドラムなどに注目し、ベースにはほとんど目を向けない。
バンドのファンは他パートの担当の顔は思い出しても、「ベースって誰がやってるんだっけ」となる…………にもかかわらず、実はベースがバンド全体を支えている。
といったスタイルにワクワクする人は少なくないはずです。

ルート弾きに徹する音作り

バンドの「リズムキープ」を最重要視するのであれば、シンプルなルート弾きに徹するというのも手です。

「そんなのつまらない!」と感じるかもしれませんが、四分音符にするのか、十六分音符にするのか、八分音符にするのか、全音符にするのかなど、バリエーションは色々あります。
また、ピッキングの使い方などによっても音は変わるわけですから、「ルート弾きだけだとつまらない」などという事は絶対にありません。

個性を出していく

自分らしさの画像

リズムに微妙にアレンジを入れてみるような、ユニークな弾き方もできます。
ルート弾きが上達したのであれば、バンド全体の音のバランスを意識しつつ、挑戦してみても良いでしょう。

ここまで4種類の発想を紹介しましたが、もちろん1つの曲の中でも色々と使い分けるべきでしょう。それも研究すればキリがなく、だからこそベースは楽しいのです!

まとめ

「ヒトは低音に対するリズム感覚に優れている」ため、「目立たなくても、観客は無意識にベースにコントロールされている」と言えます。
バンドのファンに「やってみたいです!」と言われる事も少ないかもしれません。しかし、そういった縁の下の力持ち的なポジションだからこそ、ベースには特有の楽しさがあるのでしょう。

ベースを弾いている男性