YouTubeでバンドの同時配信をする方法やメリットを紹介!

現在、世界中が厳しい状況下に置かれ、バンド活動も以前のような自由な形では行いにくくなっています。ですが、工夫すればメンバー一人一人が自宅にいる状態で「同時配信」をすることが可能です。ここではその具体的な方法やメリットなどについて解説します。「演奏ができない!」と諦める前にぜひ挑戦してみてください。

目次

YouTubeを使ったバンドの「同時配信」とは?

「メンバーが一か所に物理的に集まってYouTubeで配信する」というライブ方式はすでにたくさんのバンドが実践しています。

ですが、「メンバー一人一人が、自宅などで同時に演奏してYouTubeで配信する」という形式のライブ、つまり「同時配信」ができているバンドはほとんど存在しないように感じます。

そこで、ここでは同時配信するための機材・環境などを紹介します。

バンドがYouTubeで同時配信するための機材

「親」が用意する機材

あくまで一例です。

まず、「親」が用意する機材は以下のとおりです。

・ノートパソコン2台(ハイスペックパソコンなら1台でも可能かも)
・オーディオインターフェイス(パソコンと同数)
・ZOOMのマイク用のスマートフォン
・YouTubeの配信環境
・OBS(配信用)
・ZOOM(配信用)
・NETDUETTO(演奏)
・LOGIC(環境によってはいらないかもしれません)

ノートパソコン2台を使い、負荷を下げます。
そして、オーディオインターフェイスと楽器を繋げます。
「子」もここまではほぼ一緒の設定になるので、バンドメンバー全員でNETDUETTOにログインしてみましょう。
片方のノートパソコンを使って楽器の同期をします。

そして、メンバー間のやりとりのためにZOOMをオンにします。
ZOOMは「やりとり&ムービー用」というポジションにして、演奏の前にマイクを切っておきます。そうしないと「楽器の生の音」をキャッチしてしまい、演奏が困難になります。

さらに「OBS」を使って、デスクトップ画面が「映像キャプチャー」として配信される設定にします。

「子」が用意する機材

そして、「子」は以下の機材を準備してください。

・ノートパソコン1台
・オーディオインターフェイス1台
・ZOOMのマイク用のスマートフォン
・ZOOM(メンバーとのやり取りに使います)
・NETDUETTO
・DAW(環境によってはいらないかもしれません)

バンドがYouTubeで同時配信するための各機材接続方法

1:「親」の各機材の接続方法

以下の画像のように接続します。

(図)

こうやって見るとややこしく感じるかもしれませんが、つまりは「1台のデバイスのサウンドを他の端末に送信しているだけ」です。

2:「子」の各機材の接続方法

以下の画像のように接続します。

(図)

「親」のほうの接続方法と比べるとかなりシンプルですね。
こちらも1台のデバイスの音を他の端末に送っていますよね。

「子」はNETDUETTOをオンにしつつ、ZOOMにスマートフォンで参加します。
パソコンでZOOMに参加してしまうとソフトへの負担が大きくなるので、スマートフォンを使うことをおすすめします。

「バンドのYouTubeでの同時配信」に関する今後の改善点

1:ラグがある

バンドの演奏は「NETDUETTO」を使って行うことになります。
ですが、メンバー一人一人のインターネット回線の状況によっては、どうしても無視できないレベルのラグが発生する恐れがあります。

特にマンションなどに住んでいるメンバーがいる場合は、回線の混雑状況が変化しやすいため、安定してライブ演奏することが困難になる可能性があります。

2:音楽と映像がズレる

「音楽」と「映像」のズレ、具体的に言うと「ZOOMの映像」と「NETDUETTOの音楽」が完璧に一致することはまずありません。
それでも気になるレベルではないと感じますが、一度きちんとテストしておくべきだと思います。

3:パソコンのスペックについて

すでに触れたとおり、ノートパソコン1台でも親の役目がこなせないわけではありません。
ですが、その場合はMacProなどのかなりの高性能デバイスが必要になります。
ですから、無難に「Mac1台+Windows1台」という感じで同時配信環境を成立させることになると思います。
ノートパソコンを買い足す場合は、バンドメンバーでお金を出し合いましょうね。

バンドのYouTubeでの同時配信のメリット

無料でリハーサルができる

リハーサルは自分達さえ分かればいいので、ラグなどをそこまで気にする必要がありません。「同時配信ライブ」はしないとしても、リハーサルで積極的に利用してみることをおすすめします。

コロナ禍が明けてからも、この方法で安定して練習・リハーサルができるようになれば、スタジオ代などを節約することができますね。

作曲もできる

ZOOMを使えばバンドメンバー間で同じ画面を見ることができます。
そのため、protoolsやlogicを使えばそれぞれが家にいる状態で作曲することが叶います。

セッション配信

他のバンドとセッション配信することも理論上は可能です。
この先「同時配信の方法論」が確立されていけば、積極的にセッション配信が行われるようになる気がします。

まだまだ進歩の余地があると思います!

まとめ

コロナ禍により、活動の自由度が激しく下がったバンドが少なくないと思います。ですが、工夫すればYouTubeで「同時配信」をすることも夢ではありません。まだまだ発展途上な部分もあると感じますが、この先さらに方法論が確立されていく予感がします。コストや時間の節約にもなるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。