パンクファッションと言えば、モヒカンにスタッズが沢山付いた革ジャン、足元はドクターマーチンのブーツというハードなイメージがあります。
そして、UKパンクを語る際に欠かせないのはG.B.H.のではないでしょうか。
今回は、UKパンクファッションとお勧めのパンクファッション写真集をご紹介します。
目次
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UKパンクバンドG.B.H.(ジー・ビー・エイチ)
1978年イギリスのバーミンガムで結成されたG.B.H.(ジー・ビー・エイチ)は、UKハードコアパンク界のレジェンド的存在です。
1970年代の前半のパンク初期時代は、セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュ、ザ・ダムドなどのロンドンパンクが流行し、中期はニューヨークパンクの時代となりました。
79年から80年代にかけてのパンク後期は、パンクをより激しくしたハードコアパンク時代がやってきました。
「ディスチャージ」「エクスプロイテッド」「G.B.H.(ジー・ビー・エイチ)」が、UKハードコア・パンクの御三家と呼ばれています。
UKハードコア・パンクス達の三種の神器と言えば、「色つきモヒカンヘア」「鋲つき革ジャン」「ドクターマーチンのコンバットブーツ」でした。
モヒカンヘアの先駆者である、G.B.H.のボーカルのコリン・アブラホールは、長さこそありませんが、40年間もツンツンヘアを貫き、今でもパンクを続けています。
音楽において大きな影響を与えただけでなく、ファッションにおいても多大な影響を与え続けています。
G.B.H.が影響を与えたパンクスファッションとは?
パンクスファッションと言えば、モヒカンにスタッズが世界標準となっていますが、どうやってそのスタイルが出来上がったのでしょうか?
コリンによると、意識的に作り出したものではないと言うのです。
バンドが出来た当初は、ファッションの知識もないままに、安くて簡素な服を着ていただけで、ただ自分たちが着ていたものだったのです。
地元にある古着屋で裾が広がっているズボンを買い、スキニーになるように自分で裾を縫ったものを履く。
お金がないから、穴が開いているジーンズを履く、そしてスタッズが付いた革ジャンも自分で作った物でした。
コリンたちは、ニューヨークで既に流行していた、穴の開いたシャツに安全ピンというパンクファッションをテレビや音楽雑誌の写真を見て、真似たのでした。
G.B.H.のトレードマークと言えば、激しく逆立てたモヒカンですが、これも短いスパイキーヘアが伸びてモヒカンが出来る長さになっただけだと言います。
現在でも当時のファッションスタイルを貫き通しているのは、ただ自分が好きな恰好をしているだけで、バンドのビジュアルを保とうと意識しているわけでもないそうです。
UKパンクファッションに関する本
City Indians
著者:Chris Wroblewski
出版社:Eichborn Verlag Ag
発行年:1983年
表紙に移っている2人の見事なトロージャンが印象的です。
パンクスのみならず、サイコビリーやスキンズなどのファッションを見ることが出来る写真集です。
モヒカンやスキンヘッド、タトゥーなどのパンクスの過激なファッションも見ることが出来ます。
Skinhead
著者:Nick Knight
出版社:Omnibus Press
発行年:1982年
1980年~1981年のイギリス イーストエンド地区の不良少年集団であった「Skinhead」の写真集です。
労働者階級の子供だった「Skinhead」は、自らのスタイルを作り出しました。
ベンシャーマンのボタンダウンシャツ、H型サスペンダー、ロールアップしたタイトなリーバイス、足下はスチール入りのブーツというファッションでした。
地元愛の強さから、サッカーの試合では相手チームのサポーターと争いごとを起こして、逮捕者まで出た事からフーリガンのイメージが強くなってしまいました。
PUNK+ a document of punk from 1976-1980
著者:Sheila Rock
出版社:First Third Books
発行年:2013年
1976年~1980年にかけてロンドンを中心に広がったパンクカルチャーのドキュメントフォトブックです。
撮影したのは、パンク全盛1976年当時にロンドンに住んでいた、写真家のシーラロックです。
中身の写真は、ファッション、音楽、人々、シーンの4つに分かれています。
特徴的なアイメイクやマルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドのブティック「SEX」の服など、パンクファッションを見ることが出来ます。
Punk on 45: Revolutions on Vinyl 1976-79
著者:高橋淳一、有賀幹夫
出版社:ジャグラー
発行年:1991年
この本は、1976年~1979年に発売されたパンクのシングル盤のレコードジャケットの写真集です。
UKとUSが時期別に分けて掲載されているので、パンクの流れがわかります。
パンクライナーノート
著者:森脇美貴夫
出版社:JICC出版局
発行年:1984年
評論家、プロデューサーでもあり、雑誌DOLLの編集長を務める森脇美貴夫氏によるパンクロックのライナー本です。
森脇美貴夫氏は、現在は廃刊となってしまいましたが、パンク、ロック、ハードコアなどを取り上げていた雑誌「DOLL」の編集長でした。
まとめ
UKパンクファッションはどのようにして誕生したのか、また今もなおそのスタイルを貫いているG.B.H.のボーカルのコリン・アブラホールについてもご紹介しました。
UKパンクファッションは、ファッションの知識がなかったイギリスの若者達によって、雑誌のマネから始まったものでした。
この先も受け継がれていく事は、間違いないでしょう。
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