アース・ウィンド&ファイアーは「シング・ア・ソング」「シャイニング・スター」などの名曲で知られるブラック・ロックバンドです。いわゆる「ゴールド&プラチナ・アルバム」も12枚ほど世に送り出しており、音楽界全体に大きな影響を与えたと言われています。ここではそんな彼らの名曲を12曲挙げていきます。
目次
目次
名曲多数!アース・ウィンド&ファイアーとは?
アース・ウィンド&ファイアーは1970年~1980年代をメインに活躍した世界的なアーティストです。いわゆるブラック・ロックバンドとしては、世界一人気があったと言っていいでしょう。
愛・気高い精神・平和などのシンプルかつ深いメッセージ、魅力的なライブ、個性的な衣装などでも人気を博しました。
ここではそんなアース・ウィンド&ファイアーの名曲を12曲紹介していきます。
※アース・ウィンド&ファイアーのディスコソングにフォーカスした別記事もございます。
アース・ウィンド&ファイアーの名曲12選
名曲1:『スウィートバックズ・テーマ』(1971年)
少し入り組んだ出自の名曲。
映画監督であるメルヴィン・ヴァン・ピープルズは、映画「スウィート・スウィートバック」を完成させようとしていました。
しかし、まだBGM作りが残っていました。
そしてメルヴィンのアシスタントは、その頃モーリス・ホワイトと付き合っていました。
このモーリス・ホワイトこそ、アース・ウィンド&ファイアーのリーダーですね。
後に大スターとなるアース・ウィンド&ファイアーですが、このときはまだ下積み時代。
メルヴィンは「彼らは当時死にそうな感じだった」と語っています。
ですが、アース・ウィンド&ファイアーのタッグを組み、自らシャウトするほどの攻撃的なファンクとジャズのループを作り上げました。
そして映画もアルバムも大ヒット。
アース・ウィンド&ファイアーがこれで一躍有名になりました。
名曲2:『デヴォーション』(1974年)
アルバム「オープン・アワ・アイズ」に収録。
あまりヒットしませんでしたが、アース・ウィンド&ファイアーのファンから強く支持される名曲。
リスナーを誘惑するような雰囲気の楽曲で、歌詞の中でも「私たちの使命は音楽を奏でること/甘いハーモニーを奏でよう」などとハッキリと考えが出てきます。
名曲3:『シャイニング・スター』(1975年)
この名曲は1975年のチャートトップを取りました。
パーティーのような雰囲気の曲であり、様々なシーンで使われました。
ポジティブで爽やか、かつ派手なグルーヴはモーリス・ホワイトが手掛けた楽曲の中でも特別は存在感を放っていると言えるでしょう。
モーリス・ホワイト自身、「ターニングポイントになった曲です」と述べています。
名曲4:ラムゼイ・ルイス『太陽の女神』(1975年)
1965年あたりからモーリス・ホワイトの活動はアース・ウィンド&ファイアーが中心となっていきました。
しかし、それでも他のたくさんのアーティストとコラボしました。
その一つが、ラムゼイ・ルイス(当時の人気ジャズピアニスト)との楽曲。
成熟したムードのブラス楽器サウンド、軽やかなハーモニー、深いアンダートーンで構成されたファンキーな人気曲。
名曲5:『暗黒への挑戦』(1975年)
シグ・ショアが手掛けた映画、「ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド」から誕生した名曲。アース・ウィンド&ファイアーは「グループ」という役名でこの映画に登場しています。
アース・ウィンド&ファイアーのヴォーカルであるフィリップ・ベイリーは、「このアルバムの収録は神秘的な体験でした。まるで神様に導かれたようでした」と述べています。
実は映画はヒットしなかったのですが、この曲はヒットしています。
名曲6:『シング・ア・ソング』(1975年)
「アース・ウィンド&ファイアーの音楽が完成した」と言われているアルバム「暗黒への挑戦」。
そのあとにリリースされたライブアルバムである「灼熱の饗宴」に含まれている名曲です。
リズムを強調したファンキーな音楽で、親近感のあるサウンド。
ですがふざけすぎず、様々な音が絶妙に調和しています。
「『暗黒への挑戦』でアース・ウィンド&ファイアーの音楽がどうなったのか」については意見が分かれるところだと思います。しかし、シング・ア・ソングでまた新しい一面を見せてくれたのは確かでしょう。
名曲7:『リーズンズ』(1975年)
当時アース・ウィンド&ファイアーは「新しい時代を作るファンク・ロック・バンド」と認識されていましたが、この曲をきっかけに、「ディスコ、ジャズ、ポップなどを幅広く取り入れた世界的なミュージシャン」へと進化していきます。
モーリス・ホワイトは「シンプルに全ての人に聴いてほしいと思って曲を作りました」と述べています。
名曲8:『ブラジルの余韻(ベイジョ)』(1977年)
わずか1分20秒ほどの名曲。
ですが、「ベイジョ!ベイジョ!バタバババ!」というコーラスは、その後のヒップホップ界に多大な影響を及ぼすこととなりました。
例えば、シャイDの「I’ve Gotta Be Tough」、ビッグ・パンの『Still Not a Player』などで引用されています。
名曲9:『ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』(1978年)
元々はビートルズのファンキー系の名曲。
アース・ウィンド&ファイアーは、映画「サージャント・ペッパー」のためにこれをカバーしました。
ちなみにアース・ウィンド&ファイアーはこの年、1枚目のベストアルバムを発売しています。そのため、このカバー曲はシングルとして発売されました。
ここからアース・ウィンド&ファイアーはさらに幅広く支持されるようになりました。
名曲10:『セプテンバー』(1978年)
アース・ウィンド&ファイアーはこの年、コロムビア・レコードと新たに契約し、「ARC」というオリジナルレーベルを作りました。
「セプテンバー」はそこから誕生した最初のシングルです。
喜びに溢れたポジティブな雰囲気が魅力の名曲。
モーリス・ホワイトは(この曲のことだけを言っているのではないと思いますが)、「曲作りをするにあたっては、基本的にアメリカのルーツに目を向けるようしている」と述べています。
名曲11:『ブギー・ワンダーランド』(1979年)
非常に派手で勢いのある名曲。
アース・ウィンド&ファイアーのこの曲は、ディスコ全盛時代を彩っていると言えるでしょう。
ただ、意外とダークな面もある曲です。
そもそも「ミスター・グッドバーを探して」という暗い雰囲気の映画にインスパイアされています。そしてこの曲の歌詞をよく見るとどことなく不気味であることが分かります。
例えば、「踊って痛みを忘れよう」という旨の表現が含まれていますからね。
「そろそろディスコによる魅了から目を覚ますときだ」というメッセージが含まれているのでは、と語る音楽ファンも少なくありませんでした。
名曲12:『レッツ・グルーヴ』(1981)
そして本当に1980年代前半ごろに、ディスコブームが去ってしまいました。
アース・ウィンド&ファイアーはこのシンセサイザーのファンクで、トレンドの変化を先導したとも言われています。
イントロの機械的な音声。
従来の管楽器サウンドと、エレクトロニカを融合させつつ、「新たなアース・ウィンド&ファイアー」を見せてくれました。
モーリス・ホワイトはこの変化に関して「ヒット曲を作るときの理屈や感覚。それを把握しているだけです。ストーリーを描くようなものですし、ジャズに負けているとかそういう話ではありません。ぜひ新曲を聴いてほしい。のめり込んで作り上げた純粋な楽曲です。一緒に楽しもう」と述べています。
実際にこの曲は大ウケし、100万枚以上を売り上げました。
また、グラミー賞最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス賞の候補となりました。
まとめ
アース・ウィンド&ファイアーの名曲を12曲に絞って紹介しました。「ディスコ系のアーティスト」と認識している人も少なくないと思いますが、実際に聴いてみると「ディスコだけではない!」と分かるはずですよ。
ちなみにアース・ウィンド&ファイアーのディスコソングに注目した別記事もありますのでぜひご覧ください。