日本人ファンから「殿下」の愛称で親しまれてきたプリンス。ここではそのプリンスの「おすすめ名曲ランキングトップ22」を紹介していきます。さらには彼の天才性に関連するエピソードを2つ挙げていきます。2016年に57歳でこの世を去ったプリンス。遺された私たちにできることは彼と彼の楽曲に想いを馳せることだけです。
目次
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プリンスとは?|おすすめ名曲ランキングの前の基礎知識
プリンスはトップ40シングルを30曲、プラチナアルバムを12枚生み出しているモンスターシンガー。シングル・アルバムのトータル売上枚数は1.5億枚を超えており、他のアーティストにも影響を与えています。
日本でも大人気で、日本人ファンの中にはプリンスを「殿下」と呼ぶ人が多いです。
また、「多作なミュージシャン」としても知られています。
2016年の急死後、スタジオにある金庫室から、未発表のミュージックビデオが50以上、製作済みのアルバムが数十発見されています。
書いた曲の総数は軽く1000以上になると言われています。
そしてデビューからずっと、基本的に「作詞作曲、プロデュース、演奏、歌唱」を全部一人で行っており、扱える楽器は27種類以上ありました。
天才によく見られる「お騒がせタレント」という側面もありましたが、本当に話題に挙げるべきなのは彼の才能と楽曲なのではないでしょうか。
ちなみに、「ローリングストーンの選ぶ最も過小評価されているギタリストランキング」でナンバーワンとなっています。
プリンスのおすすめ名曲ランキングトップ22
それでは「プリンスのおすすめ名曲ランキングトップ22」を紹介していきます。ランキングは全て独断と偏見で決めましたのでご了承ください!
プリンスのおすすめ名曲ランキング1位:I Wanna Be Your Lover(1979年)
1979年発売。これがプリンスのヒット曲第1号でしょう。
スムースで妖艶な仕上がり。ファルセットが気持ちいい名曲。
21歳だったプリンスはすでに「音楽を追求するアーティスト」であり、ただのセクシーな芸能人ではありませんでした。
40年以上経過した今でもダンスフロアの定番曲となっていますね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング2位:Raspberry Beret(1985年)
「女の子とのイチャイチャ」や「退屈なアルバイト」などをテーマにした庶民的な雰囲気の名曲。
「大スタープリンス」と世間話をするような感覚になる楽曲ですね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング3位:Little Red Corvette(1982年)
プリンスは、リサ・コールマン(当時のバンドメンバー)が持っていた桃色の車の中で眠っているときに、この名曲の着想を得たそうです。
と言われても、「なんでソコからこんな曲を思いつくの……?」と不思議でなりません。
何からでもアイデアが浮かぶプリンスは紛れもなく天才ですね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング4位:Alphabet Street(1988年)
テーマを考えると発禁になってもおかしくないような曲なのですが、無事にリリースされました。
ちなみにデモテープの段階から幾度もサンプリングされ、猛獣のようなムードの名曲として生まれ変わったそうです。
プリンスのおすすめ名曲ランキング5位:Purple Rain(1984年)
「プリンスの最もパーフェクトな名曲」と評価するファンがたくさんいます。
うねるゴスペルやギターのリックのクオリティーが極めて高く、酔わせるような雰囲気でリスナーの心に突き刺さります。
プリンスが持つテクニック、いい意味での傲慢さ、勢い、悪ガキっぽさ、その他諸々の魅力が詰まった名曲。
プリンスのおすすめ名曲ランキング6位:1999(1982年)
私たちにとっては「昔の曲」ですが、当時のプリンスにとっては「未来の曲」ですね。
私たちとしては「1999年っぽさ」を楽しむべきでしょう。
ファンキーなベースライン、非常にポップなコーラスなど、プリンスの才能が詰め込まれた名曲。お立ち台の定番曲。
プリンスのおすすめ名曲ランキング7位:When Doves Cry(1984年)
「売れる曲」を追求できるプリンスの才能、テクニックが凝縮された名曲。
とはいえ、まるで「プリンスが好き勝手に暴れ回って、それが世界中のリスナーに大ウケ」という雰囲気もあるような不思議な曲だと感じます。
プリンスのおすすめ名曲ランキング8位:Sign O’ The Times(1987年)
シンセサイザーが奏でる極めて控えめな電子音。
「『音楽』というもの自体のレベルを上げた曲」とも言われています。
ちなみにエイズ、ヘロイン、コカイン、貧困など、様々な社会問題を、ほとんどメタファーなしに直接的に扱っている名曲でもあります。
プリンスのおすすめ名曲ランキング9位:Kiss(1986年)
プリンスは当初、ファンクバンドである「マザラティ」にこの楽曲を提供する予定であり、そのときはアコースティックソングでした。
ですが、マザラティのバージョンを聴いたプリンスはKissを引き上げ、自身のリード・ヴォーカルに切り換えました。さらに、コーラスパートにギターブレイクを投入。
すると、グルーヴィーな名曲へと変化しました。
プリンスのおすすめ名曲ランキング10位:Money Don’t Matter 2 Night(1991年)
「お金より大事なものがある」というシンプルなメッセージが入った名曲。このシンプルさで勝負できるのが面白いですね。
ちなみに歌声が割れているのですが、「これもラッキーな事故」としてプリンスは修正しませんでした。この遊び心も素敵。
プリンスのおすすめ名曲ランキング11位:U Got The Look(1987年)
活力に満ち溢れ、威厳があり、激しいギターソロが含まれる80年代の名曲。
当時の恋人だったシーナ・イーストンをコーラスに迎えています。
ちなみにプリンスは、シーナに「Sugar Walls」という妖艶な楽曲を提供しています。
プリンスのおすすめ名曲ランキング12位:Diamonds and Pearls(1991年)
直訳すると「ダイヤモンドとパール」ですが、歌詞としては「あなたにダイヤもパールも渡せなくて、愛を捧げることしかできない」という、ひたむきな内容。
素晴らしいサウンドと、プリンスが子どもたちと遊ぶミュージックビデオが印象的です。
プリンスのおすすめ名曲ランキング13位:Beautiful One(1984年)
プリンスのベストエモーショナルソングの一つ。プリンスには「パープル・レイン」という名盤があり、その中心となる一曲と言えるでしょう。ちなみにマライアキャリーやビヨンセらがこの曲をカバーしています。
ちなみに2020年に発売されたプリンスの回顧録のタイトルには、この「Beautiful Ones」が使われています。
プリンスのおすすめ名曲ランキング14位:Controversy(1981年)
プリンスは大スターであるとともに、メディアから「反道徳者」かのように扱われることもありました。プリンスのジェンダー的な危うさや、過剰に性的な歌詞などが、アメリカ国民に悪影響を及ぼすと感じていた人も少なくなかったそう。
ただ、プリンス自身にはそういった「問題(とみなされていたもの)」に真面目に取り合うつもりはなかったようで、全てを見透かすようなファンキーな歌詞・音楽を作るだけでした。
興味がある方はこの曲の歌詞も調べてみてくださいね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング15位:I Would Die 4U(1984年)
「キリストをまるで自分の恋人かのように扱う曲」です。
「僕はあなたが絶対に理解できないなにかである」という歌詞がありますが、これほどプリンスという存在を端的に示した表現は他にないでしょう。
プリンスのおすすめ名曲ランキング16位:I Could Never Take The Place Of Your Man(1987年)
アルバムとシングルで内容が異なる名曲。
燃えるようなポップロックの歌詞と、ギターソロ。
ですが曲の半分くらいで、「正気に戻ったような微妙に控えめ、かつファンキーなインストゥルメンタル」に変化します。
個人的には「どことなくつかみどころのない曲」という印象。
プリンスのおすすめ名曲ランキング17位:Darling Nikki(1984年)
ハッキリと性的な曲です。
日本でこんな曲を出したら怒られそう。
ある映画でこの曲が使われていますが、「お前は○○○だ!」とまるで罵倒するような形で歌っています。
ちなみにリアーナが2011年にカバーしていますね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング18位:Sometimes It Snows In April(1986年)
こちらはプリンスの友人の死を歌ったバラードです。
「いいことには終わりがある」と常人には不可能なほどに感情をこめて歌っています。
「愛は、終わってから気づく」という歌詞もありますが、プリンスファンもプリンスの死後、それを実感したかもしれませんね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング19位:The Most Beautiful Girl In The World(1994年)
意外なことにプリンスがUKでナンバーワンを取ったのはこの曲だけです。
「あなたこそが、神が女性を創った理由である」という歌詞がありますが、この曲はプリンスが後の奥さんのために作った曲です。
1996年のバレンタインに結婚。
プリンスのおすすめ名曲ランキング20位:Bambi(1979年)
「レズビアンの女性に恋い焦がれる男性が、オトコと一緒にいるほうがいいよと語りかける曲」です。
率直に言って「ナニソレ……?」というテーマの曲ですが、プリンスの唸り声などが素敵な名曲ですね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング21位:Soft and Wet(1978年)
プリンスのデビューアルバムに入っている曲です。
このときプリンスはまだ19歳だったのですが、コーラス・全楽器を手掛けています。
この頃からプリンスならではのファンクテイストが溢れ出ていますね。
プリンスのおすすめ名曲ランキング22位:Let’s Go Crazy(1984年)
プリンスのライブにおける定番曲。
プリンスは「ファンキーで好みが分かれそうな曲」をたくさん作っていますが、こういう万人受けしそうな名曲もたくさん生み出しています。
「感性だけで勝負する天才」ではなく、スキルも伴っているということですね。
プリンスの有名エピソード2選|おすすめ名曲ランキングの余韻としてご覧ください
1:ミック・ジャガー、キレる
1981年、ルーキーだったプリンスは、あのローリングストーンズのライブの前座をしていました。
プリンスのクレイジーな衣装、奇抜なギター使い、シャウトやファルセット、フェイクなどをたくさん使う独特すぎる歌唱……。
そんなプリンスを観た、ストーンズ目当てのオーディエンスは罵声を浴びせ、鳥の死骸や野菜を投げつけたそうです。
ショックで立ちすくむプリンス。
そこに登場したミック・ジャガーは怒鳴ります。
「お前たちにプリンスの魅力なんて理解できねえだろうなあ!!」
ミック・ジャガーはそのままプリンスの肩を抱き、ステージからはけていきました。
プリンスの才能を見抜いて、起用したミック・ジャガー。
ですが、ローリングストーンズ、ひいてはロック好きには、まだプリンスの良さが伝わらなかったのですね。
ただ、それから3年後の1984年に、「Purple Rain(本記事のおすすめ名曲ランキング5位)」が発売されてから、ようやく広くプリンスが認められていくこととなりました。
ちなみにミック・ジャガーはプリンスの死後、
「プリンスには無限の才能があった。この30年間で一番才能と独創性のある歌手だった」と語っています。
2007年、スーパーボウル・ハーフタイムショー
アメリカのスーパーボウルでは、毎年超豪華アーティストによるハーフタイムショー(試合の前半終了後のショー)が行われています。
2007年のスーパーボウルは豪雨の中で行われ、ハーフタイムショーがなくなる可能性もありました。
プリンスは2007年のハーフタイムショーに出演したのですが、「なんでプリンスが……」という感じで前評判はかなり悪かったのです。
プリンスが登場した途端に晴れた……というよくありそうなエピソードではありません。
豪雨のスタジアムのステージ上で、プリンスのエンブレムが輝き出します。
それはまるで妖艶なディスコボールのようでした。
そして「Let’s Go Crazy」を歌い、ギターを弾き狂うプリンス。
プリンスはオーディエンスを歌で攻撃し、すぐさま周囲の全ての人間を飲み込みました。
その後も、今回の「おすすめ名曲ランキング」でも上位に入る曲を歌い続けました。
むしろ雨が「幻想的な演出」になったのですね。
観客も絶叫し、無事パフォーマンスが終わりました。
毎年様々なハーフタイムショーが行われていますが、2007年のこれは今でもトップクラスで評価が高いです。
まとめ
「プリンスのおすすめ名曲ランキングトップ22(挙げきれなかった名曲がたくさんあります)」と「プリンスのエピソード2選」を紹介しました。
歌詞に様々な想いをこめたりこめなかったりしていそうなプリンスですが、私たちは「とりあえず聴いてみる!」だけで十分だと思います。それだけで彼の魅力が分かるはずですからね。