プロの作曲家になりたいなら100曲作れ!

プロの作曲家になるーーーーそのためには何をすればいいのでしょう?
私は作曲の師匠から「年間100曲書けばプロになれるよ」と学生時代言われました。
正直当時は「いやいや拙い曲を100曲書いても意味ないでしょ。質のいい曲10曲書く方が大事」と思っていましたし、今でもその考えは変わっていないのですが、数をこなさなければ見えてこないものがあるのも事実であると今ではわかります。
今日はそんな巷でよく聞く「100曲作れ」論についてその本当の意味をお話しします。

1 100曲作れ論のルール

100曲作れ論の基本的なルール説明をまずしようと思います。
その1、同じジャンルで100曲作ること。
ジャンルといっても大雑把な把握です。具体的にはオーケストラ曲、打ち込み劇伴、ポップス、jazz…くらいの分け方でOK。
ダブステップとかファンクとかそういうジャンルではないです。
要するに職業としての分け方です。オーケストラ書きとポップス書きでは畑が違いますよね。ポップスを100曲作ったらオーケストラ曲を書くプロになれるかといったらそうではないですよね。その畑の中で100曲作るというのが今回の趣旨です。

2 色んな曲を作ること。

例えばポップス業界のプロになりたいからポップス100曲作ろう!と決めたのにEDMばっかりしか作らないとかそういうのはダメです。EDMが”得意”なポップス商業作家はいますがEDM”しか”作れないポップス商業作家なんていません。得意を伸ばすのはいいですが、苦手なものや今まで聞いてこなかったジャンルにも挑戦しましょう。

3 誰かに見てもらうこと。

ベストはレッスンに通ったり、仕事をしながらやったりする事で自分の作った曲を自分よりも実力的に上の人に見てもらい意見をもらう事です。それが難しいなら妥協案としては自分と同じレベルくらいの知人や友人に見てもらう事です。
やってはいけないのはSNSや作曲をやっていない仲間に見てもらう事です。これをしてしまうとつけてはいけない自信がついてしまいます。驕りとか天狗といったような自信ですね。
憧れのプロに褒めてもらうのと友達に褒めてもらうのでは意味が全く違います。もちろん友達に見せてはいけないというわけではないし友達から褒めてもらうのもモチベーションになるので程々にはするべきですが、必ず自分と同じかそれ以上の人から意見をもらう機会は作ってください。

2 20曲書くと見えてくるもの

それでは何曲書くとどんな世界が見えてくるのかという話を段階的に話していこうと思います。

20曲書くと自分の「得意」と「課題」が見えてきます。

20曲目上の人に見てもらえれば毎回褒められるところと毎回怒られるところが出てくるはずです。毎回というのがミソなので10回やそこらではぼんやりしていますが20回も経験すればなんとなくわかってくるはずです。
まずは20曲作って自分の弱点と武器を自分で把握しましょう。

3 50曲書くと見えてくるもの

50曲書くと自分の成長が見えてきます。

例えば自分が苦手だった部分が苦手ではなくなってきたり、自分の武器だと思っていたものがより洗練されてきたりします。
注目すべきはその成長スピードの差と克服方法の習得です。
同じ苦手でも書くごとに得意になっていくもの、書いても書いてもあんまり上達しないものが50もかけば見えてきます。
また自覚した苦手を克服するプロセスを経験することができるので、これはあらゆるものに応用が利きます。恋愛とか仕事とか。
そういう経験を通して自分が自覚していなかった自分をより詳細に知り、アウトプットの質が向上していきます。

4 70曲書くと見えてくるもの

70曲書くと自分の立ち位置が見えてきます。

現在売れている作曲家さんにはそれぞれの守備範囲がありますよね。
例えばヒャダインさんならあの独特の早口な言い回しとキャッチーなメロディと歌詞で女性アイドルの内面を描くのがうまい、だったり中田ヤスタカさんなら新しいシンセサウンドを取り入れるのが得意でキラキラとした時代を象徴するサウンドを作るのがうまいとか。
そういう自分がどういうことが得意で業界に入ったらどういう立ち位置になれるか、というのが70曲くらい作るとなんとなく見えてきます。
かつて好きだった作曲家も「この人は自分が目指したい人だから好き」とか「この人は自分にはないものを持ってるから好き」みたいに自分の立場と照らし合わせて考えられるようになります。

5 100曲書くと見えてくるもの

100曲書くと壁が一つ壊れます。

検証と実践を100回繰り返した経験から正しい自信がついたり、経験で対応できる問題や、ソフトを扱うスピードもあがり作業が早くなりクライアント側からの信用も厚くなります。
そして今までは師匠や先輩の意見を参考にして改善をしていたのが、自分でも何が悪いのかわかるようになり、遊び心を音楽に入れてもどれくらいの塩梅なら崩れないのかわかるようになってきます。

おわりに:

いかがでしたでしょうか?参考になりましたか?
勿論質にこだわって1曲に対して何日もかけるのも大事です。
しかし作曲に限らず何事も成長するには「検証→実践→反省」のプロセスを繰り返す事です。
質の高い1曲とはそのプロセス一回分の質が高いというだけなので所詮は質の高い一回分の成長しか得られません。
寧ろ力を抜いて作った曲の方が自分の癖や苦手が露わになったりしますよ。何事も塩梅が大事ですね。

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