作曲家になるために必要な技術は3つある

作曲家、そう一口に言っても私は3つの技術が必要だという持論を持っています。
それは「作曲センス」「編曲技術」「人間力」の3つです。
今回の記事ではこの3つをどうやって勉強していけば良いのか紹介していこうと思います。

目次

1 作曲センス

まず作曲センスですが、これは平たく言えば勉強では身につける事ができない音楽のセンスのことです。
どんなに編曲力があって卓越した素晴らしい音楽を作れてもそこにセンスがなければその音楽はカッコよくなりません。音楽をカッコよく見せるためにはセンスが必要不可欠です。

ではセンスを身につけるにはどうすればいいのでしょうか。
私の持論ですが、技術は伸ばすもの、センスは磨くものだと思っています。

センスを磨くプロセスは3つに分けられます。
まずは自分のセンスを見つけるプロセス。自分の中にはどんなセンスが眠っているのか自分と向き合い自分の中に眠るセンスを発掘し、何を磨けばいいのか自覚するところが第一歩です。
その次はセンスを磨くプロセス。見つけたセンスを磨くためたくさんの感動を自分の中に蓄えていきます。音楽を聞いた感動はもちろん最も必要ですが、食事や恋愛、遊び、芸術鑑賞、会話、日々の何気ない時間などを通して感動をしてください。感動すればするほどそれが蓄積されて自分の中にあるセンスがどんどんはっきりしてくるはずです。
そして最後はそのセンスを音楽に昇華させるプロセスです。これは編曲技術とセンスを結びつける作業と言ってもいいかもしれません。自分が持っている昂る気持ちとか感動した経験とかを編曲技術を用いて音楽に落とし込んでいく作業です。これを経ることで自分の中に蓄積された感動を自分の音楽に変換できるようになります。

読めばわかると思いますが一年二年でどうにかなるような課題ではないです。センスを磨くプロセスは一生続きます。
この3つのプロセスをとにかく何度も繰り返すと、少しずつセンスが磨かれていくはずです。

2 編曲技術

これは平たく言えば音楽のお勉強です。
たくさんの音楽を分析して疑問を持ったり、音楽理論を学んだり、レッスンに通ったり、雑誌や動画をみたり。技術的なことというのはセンスと違って学んだものをその日から自分の技術として使っていけるケースが多く、やればやるだけ技術がついていきます。

編曲技術を伸ばしていくプロセスは大きく2つです。
まずはインプットの作業。好きな曲をひたすらに聞きまくったり、理論書を読んだりして自分にとって必要な技術を自分の中に蓄えます。
これは結構単純な作業でやればやるだけ伸びるので簡単ですが、時間がかかるのがデメリットです。移動時間や隙間時間など何気なく音楽をきいたりせずインプットするつもりで聞くように意識をしていきましょう。
そしてそれができたら次はアウトプットの作業です。蓄えた技術を使って実際に曲を作ります。この2つをひたすら繰り返すことで人から盗んだ技術が定着し自分のものになっていきます。

3 人間力

作曲家は絶対に一人では成り立たない職業です。今でこそDTMというものがあり一人で曲を完結させる事ができますが、ミュージシャンに演奏してもらうことは避けては通れないしお仕事をくださるクライアント様との関係構築をはじめ様々な人に支えられて作曲の仕事で食べていけるようになるのです。

挨拶や礼儀の重要性は以前記事に書いたのでもう一度は触れませんが、例えば国語力なんていうのも作曲家にとって必須スキルです。
クライアント様は大抵が音楽の素人か或いは作曲の素人です。
そういう人たちからもらう日本語の発注書や資料映像や画像をみて、何を望んでいるのか想像し、それに対して自分の音楽技術をコミットさせていきます。
これは資料の中から何を望んでいるのか適切に汲み取る国語力がなければどんなに技術がありいい曲であってもOKはでず、仕事にはなりません。

他には会話力です。
例えば作った音楽に対して不満を言われたが、その音楽こそが発注の意図に添っていると自分が確信している時それをどう説明するのでしょうか?
多少高圧的でも強く説得したほうがいいのか、それとも順序立てて理論的に解説したほうがいいのか、或いは感情に訴えるように優しくただ頭を下げればいいのか。相手や状況を見て適切な日本語を選んでいく必要があります。
これはレコーディングの場でしょっちゅう求められるスキルです。プロのミュージシャンは自分の出した音にプライドを持って臨んでいます。その音に対して時にはダメ出しをしなければならないのが作曲家です。相手の性格や目を見て最適な言葉を選び音楽を自分の理想に近付けていく、これも立派な編曲技術の一つと言っていいかもしれません。

個人的な話ですが私はオタク気質で学生時代も教室の端っこで一人弁当を食べているような人だったのでこれがとにかく会話が苦手です。しかしいい音楽にしたいという思いはあるので必死に会話の勉強しました。会話をいっぱいした日は締め切り前以上に気疲れするのは相変わらずですが、苦手だからといって避けられる問題ではないのです。

おわりに:

いかがでしたでしょうか?
この3つはどれも性格が違い極め方も違います。しかしそれぞれどれが得意というのはあってもいいと思いますが、どれも一切勉強しないというのは無理な話だと思います。
私の場合は編曲が得意で人間力はとても苦手だけれど頑張ればなんとかなって、作曲センスは壊滅的にないので人より頑張る必要があると思っています。
得意を伸ばすことと苦手をなくす事が大事だと思います。

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