結局音楽理論の勉強って何なの?

こんにちは。
「今まで独学でやって来たから音楽理論を勉強したい」
というバンドマンやDTMerから相談を貰う事がよくあります。
彼らの疑問に共通するのが音楽理論を勉強したいとは思っているものの音楽理論ってなんなの?という部分をそもそもわかっていない人が多いという事です。
今回はそんな方々向けに、音楽理論と一口に言ってもその内訳はどうなっているのか、クラシック系の理論を中心にご紹介させていただこうと思います。

目次

1 和声法(コード理論)

和声法とはざっくりいってしまえば和音と和音進行の勉強です。
ドミソがCでドミbソがCmみたいなのを深く学びたければこれを勉強してください。

和声法には大きく3つ種類が存在しています。
一つ目はクラシック和声。所謂クラシック音楽を分析するときに使うものです。使う記号がそもそも皆さんの知っているコード記号とは違ってローマ数字で表すものをメインに使います。
本格的なオーケストラ曲を作りたい方、劇伴作家を目指したい方などはこれを勉強しましょう。
もう一つがロックのコード理論。
これは次のjazzのコード理論の簡易版とも言えます。バンドマンの方に最も親しみのあるものだと思います。
最後がjazzコード理論です。これは一般的なコードネームを使うこともあればローマ数字で表す和声記号を使うこともあります。
ロックのコード理論よりもより複雑で難しいコードを沢山扱います。スケールの勉強なんかも一緒にできます。本格的なjazzの曲を作りたい人やプログレッシブロックなどを分析したい方はこれを勉強しましょう。

ただこの3つは例えばフランス料理とイタリア料理の違い程度のもので、根本的な音楽の欲求の部分では共通しています。つまり一つをある程度勉強すれば他の理論にすんなり入っていく事が可能でしょう。
勿論クラシックの和声法では基本的にやらないことをjazz理論だとあっさりやったり、同じコード進行でも考え方が違ったりと細かい部分や初心者の段階での考え方はある程度違いますが、どれも極めればものの見方が違うだけでやっていることや考え方はどれも大きな差はありません。
どれもまんべんなくやるのもいいですが、まず一つ好きな音楽のものを極めるのがオススメの勉強法です。

2 楽器法(管弦楽法)

主にクラシックとjazzの作曲家が勉強する理論で、ざっくり言ってしまえば楽器法は楽器の構造やできないこと得意なことを学ぶ理論、管弦楽法は楽器法を踏まえて編曲の仕方を学ぶ理論です。

分かりやすい例で言えばアルトサックスはここからここまでの音を出す事ができて、高い音はこういう特徴、低い音はこんな風になるよーとかいうのを積み重ねていきます。
作曲家は楽器の特徴をしっかり知っているのが当たり前なので、扱う楽器全ての特徴を知っている必要があります。
rockの編成以外の楽器を取り入れた楽曲を制作したいならたとえ扱うものがソフト音源であってもある程度ここを勉強するべきだと思います。

3 対位法

対位法は主にクラシックのバロック時代と呼ばれるまだコード理論が存在する前の時代に使われていた理論で、ざっくり言ってしまえば2つ以上の旋律を共存させる理論です。
分かりやすく言えばヴォーカルが休んでいるときにギターやドラムが動いて間を埋める、ああいうのも一種の対位法的発想と言えます。

基本的にはクラシック音楽やオーケストラ曲を作るときに使う理論ですが、対位法を勉強している人間だからこそ思いつく「対位法的アイデア」はあらゆる音楽に応用が効くと思っています。自分も音大時代にクラシックの対位法を勉強しただけですがその時の発想力がポップスを作るときにも役立っていると実感することは多いです。
何かアレンジ力に納得がいかないと思っている人は一つこれを学んでみると何かブレイクスルーのきっかけが転がっているかもしれません。

4 楽典

楽典とはざっくり言ってしまえばクラシックの楽譜を書くときに使う音符以外の要素全てを学ぶ理論です。
書いてあるイタリア語の意味とか、音楽記号の使い方とか、スケールとかそういうもの全てを楽典と言います。

平たく言ってしまうと、楽典を勉強すれば楽譜が書けるようになります。
音符が読めないとか、調号とかト音記号って何?みたいな人はまず楽典の教科書を一冊履修してみるといいでしょう。
MIDIや鼻歌だけでなく楽譜で自分の作った音楽を表現したり伝えたりしたい人は勉強してみてください。

おわりに:

いかがでしたでしょうか?
音楽理論はどれもある程度極めなければ実践的になスキルはつきません。なんとなく触ってみた程度で使えるようになる理論はないです。
それは科学者になりたいと言っている人が数学やろうと言い出して足し算引き算割り算掛け算を勉強して満足しているようなものです。

プロを目指すなら時には目上の人やレッスンに通ったりしながら教材をしっかり使って深い部分までのめり込んでみることをオススメします。

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