伝説的な音楽プロデューサーであるナイル・ロジャースの楽曲紹介をしていきます。ダフトパンクの「Get Lucky」をはじめ、様々な人気曲に関わっています。
そして彼自身、ギターのテクニックの一つである「カッティング」の達人でもあります。記事後半では「ナイル・ロジャースが語ったギター練習方法」についてもお伝えします。
目次
目次
カッティングの名手ナイル・ロジャースの楽曲12選|ダフトパンクも憧れた
カッティングの名手であるナイル・ロジャースは伝説的な音楽プロデューサーであり、ダフトパンクも彼に憧れました。
ここでは、ナイル・ロジャースの有名曲を12曲紹介します。
1:Le Freak/ Chic(1978年)
邦題は「おしゃれフリーク」です。
アメリカでナンバーワンとなったディスコソング。
ナイル・ロジャースの得意技である、ビートの間を通すようなセクシーなギター音を堪能できる楽曲です。
2:We are Family/Sister Sledge(1979年)
誰しも耳にしたことがあるディスコサウンドです。
ナイル・ロジャース自身、この曲が入ったアルバムを「自分の一番の傑作はこれだ」と述べています。
特徴的なコーラスを楽しめる曲でもありますが、イントロからスタートするキーボードとカッティングギターのスタイリッシュなフレーズも魅力です。
3:Good Times/Chic(1979年)
こちらもアメリカでナンバーワンになった楽曲です。
「音楽の歴史上一番サンプリングされた曲」の一つとして挙げられることさえあります。
元のバージョンを聴いたことがない人でも、別のバージョンであれば耳にしたことがあるかもしれません。
ナイル・ロジャースは「一度聴いたら耳から離れない」ということを大事にしていますが、このコーラスはそれにズバリ当てはまっていると言えるでしょう。
4:Upside Down/ Diana Ross(1980年)
アメリカでナンバーワンになった楽曲。
ナイル・ロジャースは色々なアーティストに曲を提供していますが、「世界的スター」と言えるレベルのミュージシャンの楽曲をプロデュースしたのは、これが初めてのことでした。
いわゆる「ロジャースならではのカッティングギターサウンド」は控えめになっていると感じる人が多いようですが、練り上げられたファンクサウンドがこの曲の魅力であり、当時は非常に斬新な楽曲として扱われました。
もちろん今聴いても素晴らしい曲なのですが、「ダイアナロスにマッチしているの……?」と疑問に感じている人もいるようです。
5:Like a Virgin/ Madonna(1984年)
マドンナの代表曲であり、もちろんアメリカでナンバーワンとなりました。
ナイル・ロジャース自身は、この曲にそこまで満足していなかったようですが、「数日経っても耳から離れなかった」ため、世に送り出せると感じたとのことです。
最初はバラード調を想定していたそうですが、マドンナの印象や歌詞を考えて、ポップダンスチューンへと変更しました。そしてマドンナのイメージが世界的に広まったのですから、結果的に大成功だったと言えるでしょう。
6:Let’s Dance/ David Bowie(1983年)
デビッドボウイ最大のヒットソングの一つ。
ボウイは80年代頃にいわゆる「ソウル路線」からの転換をしましたが、ナイル・ロジャースの楽曲がその後押しをしたと言えるでしょう。
ボウイはナイル・ロジャースの自宅を訪れ、「次のレコードのイメージはこれだ」とリトル・リチャードの写真を示したそうです。
そして「ダンサブルなロックをお望みだな」と捉えて、ナイル・ロジャースが手掛けたのがこの曲!
7:Material Girl/ Madonna(1984年)
マドンナの有名曲。「Can You Feel it(ジャクソンズ)」のベースラインを流用。
マドンナファンに「マドンナの曲の中で、最もキャッチーなのは?」と質問すれば、この曲を答える人が一番多いことでしょう。
8:Original Sin/ INXS(1984年)
INXS(インエクセス)に提供した「80年代っぽさ」満載のダンスロックチューン。
メロディアスに走り抜けるような印象のサビが楽しい。
ちなみに日本でプロモーションビデオが撮影されました。
9:The Reflex/ Duran Duran(1984年)
「デュラン・デュランで一番いい曲は?」というと、「Ordinary World」か、この「The Reflex」でファンの間でも意見が分かれそうです。
都会的な雰囲気のあるダンスロックナンバー。
ジャンルとしてはいわゆる「ニューロマンチック」
10:Roam/ The B-52s(1989年)
かなりキャッチーなポップロック楽曲。
ただ、「ナイル・ロジャースっぽさはあまりない」と語る人が少なくありません。
ですが、「名曲である」という評価は揺るぎないですね。
「『ナイル・ロジャースっぽいサウンド』じゃなくても、いい曲を作れる」ということですし、むしろ素晴らしいのではないでしょうか。
11:Get Lucky/ Daft Punk(2013年)
ダフトパンクはナイル・ロジャースに憧れていました。
そこでデモテープをいくつか持っていくと、この楽曲にバシッときたナイル・ロジャースが、すぐにギターサウンドを追加。
ファレルウィリアムスをヴォーカルに迎え、「これまでのダフトパンクの楽曲とは違う」と評されながらもヒットしました。
カッティングの名手であるナイル・ロジャース。
彼のセクシーなギターサウンドによるところも大きかったのではないでしょうか。
12: Lay me Down/Avicii(2013年)
ナイル・ロジャースがギターを担当。アダム・ランバートがヴォーカル。
強烈なグルーブサウンドでノリノリなディスコ風楽曲。
アルバム「True」に収録。
カッティングの名手ナイル・ロジャースから学ぶ練習法|目指せダフトパンク!?
ここまでカッティングギターの名手であるナイル・ロジャースが手掛けた数々の楽曲の一部を紹介しました。
「ナイル・ロジャースがいなければ音楽の歴史が変わっていた」とさえ言われていますが、それも頷けますね。
そんな彼はダフトパンクとコラボし、2013年のグラミー賞を獲得しています。
そのあとしばらく裏方で活動していたのですが、2018年には彼自身のバンドであるシックからアルバムをリリースしました。
さて、ナイル・ロジャースが「ギターを弾くコツ(練習方法)」について語ったことがあります。
最初はメトロノームを使ったトレーニングをしていた
ナイル・ロジャースは、まずメトロノームを使ってギターの練習をしていました。
メトロノームの音に合わせてギターを弾くわけですが、「メトロノームの音を認識できなくなるまでプレイした」とのこと。
「グルーヴが身体に定着すれば、メトロノームの音が消える」とも。
ちなみに現代ならメトロノームでなくても問題ありません。
「クリック」など一定のリズムで音を発するものであればなんでもOKです。
オルタネイトピッキングで1音を同じテンポでひたすら弾く
ナイル・ロジャースはバーナードに「1音を同じテンポでひたすら弾く」というトレーニング方法を教わりました。
ギターの基本である「オルタネイトピッキング」にて、前ノリ(グルーヴの前に弾く)、後ノリ(グルーヴの後ろで弾く)、ジャスト(グルーヴに合わせる)……と地道に弾き続けたそうです。
このトレーニングを続けて、ありとあらゆる音符をキレイにスムーズに弾けるようにする。
すると、どこかのタイミングでいきなりファンキーな演奏ができるようになる、とのこと。
カッティングの名手として知られるナイル・ロジャースですが、その裏には極めて地道なトレーニングの日々があったのでしょうね。
自分が目指すミュージシャンやギタリストの曲を聴く
ナイル・ロジャースは自身の理想だったジミ・ヘンドリックスやジェームズ・ブラウンなどの楽曲を繰り返し聴き、「サウンドの中に潜む細かな工夫・テクニック」などを理解していったそうです。
「それが演奏の『エクストラ』なところである」とのこと。
そしてトレーニングを続けていくうちに、様々なサウンドに気づき、自分の音楽が発展していくのだそう。ロック、ダンスナンバー、ファンクなど、どんなジャンルでも共通するそうです。
あなたもナイル・ロジャースやダフトパンクの曲を聴き込みつつ、ギターの練習に励んでみてはいかがでしょうか。
まずは基本的なトレーニングして、慣れてきたらカッティングなども取り入れてみることをおすすめします。
まとめ
カッティングの名手であるナイル・ロジャースの有名楽曲を紹介しました。「耳に残る曲を作る」をモットーにしているだけあって、長く人々に愛されている曲ばかりです。
ダフトパンクも憧れる彼ですが、ギターのトレーニング方法は以外にも「超オーソドックス&地道」。
皆さんもコツコツ練習に励んでみてはいかがでしょうか。