『覆面系ノイズ』コミック原作の実写映画 バンドの楽しさや様々な可能性を感じさせる作品

2017年に製作された『覆面系ノイズ』はコミック原作の実写映画です。アリスと2人の男の子をつなぐのが彼女の歌声。3人の関係性はどうなっていくのかが気になりつつ、バンドの楽しさや様々な可能性を感じさせる作品です。アリス役を中条あやみ、2人の男の子を志尊淳と小関裕太が務めます。それでは、『覆面系ノイズ』のあらすじと見どころを紹介していきましょう。

1.あらすじ

鎌倉の小学校に通うモモとアリスは仲良し。5年生になっても一緒でしたが、急にモモは引っ越してしまい、アリスは泣いて悲しみました。アリスは彼から「歌ってくれれば、それを頼りに会いに行く」と言われたのを思い出します。
その後、アリスは海岸で譜面を書いていたユズと出会い、譜面の音符を歌ってみました。ユズは喉の病で入院しており、理想の歌声に出会えたことを喜びますが、退院してからアリスと離れてしまいます。そうして高校生になった2人は再会。アリスが転校してきたことにユズは驚きつつ、ユズはアリスが今でもモモを思っていることを複雑に思うのでした。

世間では「in NO hurry to shout(通称:イノハリ)」のバンドが人気。顔を隠したバンドメンバーは実はユズたちだったのです。ボーカルの深桜はユズが気になっていましたが、アリスに夢中な彼に気付かれることはありませんでした。そんな折、アリスは桐生桃が音楽のプロデューサーになっており、彼が審査員を務めるオーディションを知って受けることを決意。アリスは歌の練習をしていた深桜に自信に足りないものを尋ねます。彼女はアリスのロングトーンを聞いて基礎が足りていないと指摘。それを聞いたアリスは土下座して鍛えて欲しいと頼み込みました。深桜は乗り気がしない中、真面目にトレーニングを手伝い、アリスは基礎を身に付けます。

そうしてオーディション当日。アリスは深桜も受けていることが気になりつつも審査員の元へ。そこでモモの姿を見て追い掛けると、「失格だ、おまえの歌は金にならない」と言われるのです。アリスはショックを受けて雨にうたれながら帰路へ…迎えに来たユズは彼女を慰めるのでした。アリスは学校で叫びたい衝動に駆られて屋上でイノハリの「ハイスクール」を歌い、それを聞いたユズとバンドメンバーはあることを決意しました。
深桜はユズに振り向いてもらえないこともあってボーカルを辞めたため、ユズはアリスにボーカルを頼みます。彼女はイノハリの正体がユズたちであることに驚きつつ、モモに歌を届けたいと考えてチャレンジしようと思うのでした。テレビに出演というデビューを飾ったアリスの歌はモモに届きますが、彼は動揺はすれどもアリスに会おうとはしなかったのです。

ユズはモモと偶然町であった際に、譜面を書いていることやギターを弾くことで意気投合。ユズは彼が榊と名乗っていたため、アリスの思い人だと気付きませんでした。そのため、学校に連れてきた際に彼女が「モモ」呼んだことに驚きます。モモはその場を去り、ユズは傷付いたアリスが歌い続ける理由が無いと言い出したため、キスをするのでした。
ユズはモモを説得してアリスと会うように言い、2人は元の仲を取り戻しつつあります。それを知ったユズは次第に新しい曲が思い浮かばなくなり、次のライブを最後にイノハリの解散を決意。アリスには次の歌が最後だと伝えます。一方、モモはアリスに曲を渡して「今後は自分の曲だけ歌って欲しい」と望みました。アリスは悩み、深桜に相談してついにモモの元へ。ユズが自分に歌う場所を与えてくれたと話し、モモは「しょぼいステージだったら奪い返しに行く」と言いました。アリスはライブに走りこれからもユズの曲を歌いたいと伝えます。ライブで彼女は『Close to me』を歌い始めます。

2.感想

・バンドや歌のシーンがステキ!

映画の最初から「ハイスクール」が流れてオープニングとなるのがステキ!イノハリのバンドメンバーは包帯で口元、片目も隠していてウィッグを付けているのが印象的でした。衣装も魅力的でミステリアスな雰囲気がありますね。そうしてノリの良い曲調で深桜が歌うのも良いですが、アカペラでアリスが叫ぶように歌うのもカッコ良かったです。
深桜の恋敵にもなるアリスでしたが、2人がトレーニングに励む姿は応援したくなりました。腹式呼吸を身に着けるために腹筋やランニングを頑張り、アリスが自信を付けてくのです。アリスがデビューを飾った際も見どころでしたが、「響け」と歌う際にはだんだんと高音になっていく様に力強さを感じましたね。
ギターやベース、ドラムも曲に合い、小気味よさもあるギターが特に聞きどころ。バンド練習中のシーンも良かったですが、モモとユズが2人でギターを弾くのもクールでした。ユズはピアノを弾いてる時は大人っぽさがあり、その曲に合わせてアリスが歌うのも雰囲気の良さに惹かれましたね。

・アリスの歌に惹かれるモモとユズ

モモは借金取りが怒鳴る声に脅かされて育ちアリスの声は光だったと語り、ユズは彼女の歌を聞いて曲が湧いてくるというのが印象的でした。アリスの歌は彼らに響き、彼女もまたモモやユズのために歌っていくのです。そうした相互関係は時にもどかしさもありましたが、最終的にはハッピーエンドとなったは良かったです。
途中でモモがこっそり学校に来て、寝ていたアリスのマスクの上からキスをするシーンから、「アリスはこのままモモを選ぶ方が良いのでは?」とも思いましたね。それでもユズと一緒だったことを思い出すアリスを見て、改めて彼と共に歌っていくという決断をしたラスト。モモも納得した様子だったので、今後もみんな音楽と共に生きていくのではないかと感じさせました。

3.感想

ひたむきに歌うアリスと、純粋なユズ。そしてお金のために曲を作るようになってしまったモモが関わっていくストーリーに引き込まれた音楽映画でした。歌とバンド、そして作曲者との関係性も色々とあるのだと思いつつ、歌の可能性を感じたのが見どころとなりましたね。高校生たちの青春物語は清々しさもあり、音楽と共に楽しめる作品です。