映画『ドリームガールズ』ダイアナ・ロスとビヨンセの重なる「デスチャ」と「シュープリームス」

ビヨンセ・ノウルズやエディ・マーフィが出演する映画『ドリームガールズ』は、デビューを夢見た3人の女の子たちの物語。デビューまでの道のりから解散までを描き、歌の舞台のシーンが多いのが見どころ!どれも華やかで楽しさを感じさせ、時にバラードで切なさも伝えるその姿は感動すること間違いなしです。力強く、感情のこもった歌を聞きつつも彼女たちの人生に思いをはせる作品のあらすじと結末、感想を紹介していきましょう。

1.あらすじ

ディーナ、エフィ、ローレルは3人でデトロイトの劇場でアマチュアコンテストに出場しますが、今回も優勝ならず…12歳から音楽を続けてきたけど芽が出ないことで諦めかけていました。そこにカーティスが「ジミー・アーリーのバックコーラスをすれば、週に400ドルだ」と誘われて、エフィは渋りましたが有名になるチャンスだと思って受けることにするのです。

ジミーのマネージャーのカーティスに対し、エフィたちの歌の歌詞を書いていたC.C.がジミーが曲を提案。「キャデラック・カー(Cadillac Car)」は車のキャデラックを買ったという歌詞がドライブで流す歌として人気が出るのです。カーティスは車の販売もしていたため、売る際にCDも渡していたのですが…白人が歌詞をマネするようになったことで「黒人のラジオ局以外にも流せるようにせねば」と考えるのです。そのため、車を全て売って会社を「レインボー・レコード社」として改め、シカゴの局などにジミーの歌を流せるようにしました。

ジミーのバックコーラスとして務めてきたエフィたちを、カーティスはついにデビューさせることに…クリスタルルームで「ドリームガールズ(Dreamgirls)」を披露し、「私達はドリームガールズ」と歌詞に込めて大盛況を収めます。1966年の大晦日、順調だったザ・ドリームズでしたが、ディーナがリードボーカルを務めるということでエフィは納得がいかず、ついには練習を放棄…これまでも身勝手な行動が多く嫌気がさしたこともあり、カーティスは新たなメンバーを加えるのです。

その後、カーティスはディーナと結婚し、バラード系の歌も手掛けるようになります。そして、ザ・ドリームズはジミーと舞台に立つことになるのですが、彼は「湿っぽいバラードは嫌だ」と、生放送中に勝手に曲を変更。ラップのノリの良い曲で盛り上げたと思いきや、ズボンを降ろして下着を晒したことで、カーティスは「全国に恥をさらした」と解雇を言い渡しました。ジミーと長年愛人関係にあったローレルも愛想をつかしていましたが、ジミーがヘロインの過剰摂取で亡くなったと知って悲しみに暮れることに…カーティスは自業自得だと思っており、C.C.は彼に付いていけなくなったことで離れてエフィの元へ。「ワンナイト・オンリー(One Night Only )」を歌って欲しいと願い、バラード調で客に聞かせるように歌うエフィは人気を得るようになるのです。

単独で成功を収めつつあったエフィですが、カーティスは歌詞をマネして曲に使用。ディスコ調のセクシーさもある歌は盛況となりましたが、C.C.たちは彼を訴えに出るのでした。過去にもマフィアとのつながりや、他の音楽販売への妨害も行っていたカーティス…ディーナはこれをキッカケに「私はあたなの所有物じゃない」と言ってカーティスの元を去るのです。ザ・ドリームズの解散のための最後の公演が行われ、ディーナはエフィも呼んだことできらびやかな舞台は幕を閉じました。

2.感想・見どころ

・歌のシーンが多く、どれもスゴかった!

最初のデトロイト劇場でのコンテストでは、色々な出演者の歌やダンス、楽器などのパフォーマンスが見れて楽しかった!そしてザ・ドリームズの3人組はドレスを揃え、カツラを被る際には逆にして他のパフォーマーと被らないように工夫をしていました。「ムーブ ムーブ♪」とリズム良く歌って踊り、中でもふくよかなエフィが胸を小刻みに横揺らし、高音を力強く響かせる姿は冒頭から引き込まれましたね。

ジミーの最初の舞台ではバックコーラスを始め、彼のテンポの良い明るい歌が流れながらも代わる代わる違う衣装を見せてくれるライブのシーンは派手!ジミーは黒のサテン、金に近いイエローを着て、観客にマイクを向けて盛り上げたり、失神するフリをしてザ・ドリームズたちに仰がれる演技をしたりと楽しさもある中で、最後は「ワァオ!」と声を上げて締めくくる賑やかな舞台が印象的でした。

・ザ・ドリームズのデビューとディーナ

ポップで楽し気な「ドリームガールズ(Dreamgirls)」では、肩を出して白のラメが施されたステキな衣装がライトアップされた際に光り輝くのが印象的!後ろには演奏者のシルエットだけがわかるように映し出されていておしゃれで、美人な見た目のディーナがリードボーカルとなり最後は回転しながら歌う姿が華やかでもありました。
ディーナは「リッスン(Listen)」でのソロのシーンも、感情がこもっていて美しさを感じさせたのが印象的…カーティスの思い通りに映画に出演させられようとしたり、リードボーカルに選ばれたのも「特徴がありすぎない声だからだ」と言われていたことへの思いが伝わってくるシーンでしたね。

・エフィの別れとメンバーとの口論

エフィとの決別のシーンは『ドリームガールズ』の中でも大きな展開を迎えたシーンとなりました。カーティスはエフィと恋人関係でしたが、ディーナと浮気をしていたのをキッカケにエフィが激怒…リードボーカルにさせてもらえなかった思いも募って、「アンド・アイ・アム・テリング・ユー・アイム・ノット・ゴーイング(And I Am Telling You I’m Not Going)」を力強く歌って皆に思いを訴えかけるのです。
カーティスとの仲をやり直したいと願う歌詞に思いを乗せた高音も交えてのロングトーンはエフィの最大の見せ場となったシーン…メンバーやカーティスとの口論もミュージカルのようだったのが引き込まれましたね。

3.まとめ

ソフィやディーナがそれぞれ悩みを抱えつつも成功を収めていく姿や、彼女たちの歌にただただ感動する作品でしたね!そして、カーティスが白人に歌詞をマネされたのと同じように、ソフィの「ワンナイト・オンリー」のマネをした…それをキッカケに解散することになる流れは、手段を選ばないマネージャーの末路として学ばされる感じもしました。ジミーの舞台も賑やかだったり、ソフィたちのドレスやメイクも毎回異なって華やかでありながらもステキな歌をしっかり伝えてくれた映画だと言えるでしょう。